韓国は「そうだ、韓国へ行こう」といったような感覚でその日のうちに行けるのに、陸続きの北朝鮮に行くのにハードルが非常に高い。
38度線付近の展望台からは北朝鮮の開城(ケソン)の街並みや偉大なる首領様の「金日成」銅像などが望遠鏡のレンズを通してよく見えるのに、そこに行くのにいったん中国やロシアを経由しなければならない。ほんの数キロ先なのに・・・。
日本統治時代の行政区分は「平壤府」、東京から平壤ゆき(経由:東海道・山陽・下關・京釜・京義)の切符も発売、郵便局も「平壤」(当時は日本語読みで「ヘイジヤウ」)の消印も日本様式。
大日本帝國が1945(昭和20)年8月15日敗戦、朝鮮半島を手放す。
隣接する旧ソビエト連邦が朝鮮半島を自分のものにしたい。
日本と戦って勝利したアメリカも朝鮮半島を自分のものにしたい。
主権を巡って、1950(昭和25)年6月25日、朝鮮戦争勃発。
朝鮮半島全地域をソ連軍の率いる北朝鮮にした時期もあったが、再び、アメリカの韓国軍が攻めるなどにして、皮肉にも日本では朝鮮戦争の特需により、高度経済成長期を迎えてしまった。
1953(昭和28)年7月17日、朝鮮半島の南北を分かれる38度線で休戦協定を結ぶ。
今年は2010年なので、休戦57年目になります。
まだ戦争が終わっていない状態なので、「大韓民国の国民たる男子は憲法と兵役法の定めに従って、兵役義務を誠実に遂行しなければならない」という兵役法第3条があり、19歳になれば、戦時中のような赤紙のような通知書が本人に届くそうです。
たとえ、志願していなくても強制的に連れて行かれてしまいます。
ほとんど韓国の男性はこういう兵役を経験しているので、体格もよくメタボはほとんど皆無。
障害者の兵役義務は免除されていますが、昔はろう者も兵役対象だったそうです。韓国映画の「ブラザーフッド」も、「目の見えぬ者は免除だ!」といったセリフも入っていますので、ろう者は手足が不自由なく使えるので、徴兵対象だったこともうかがえます。
ところが、銃砲の音などに気づくのが遅かったため、残念ながら亡くなられた方も出たため、ろう者も免除になりました。(数年前、韓国の友人から聞いたお話です)
すっかり話が長くなってしまいました。
2003年、いやそれ以前だったかも知れませんが、北朝鮮旅行の情報収集。
1人30万円かかること、中国大使館にVISAの発給が必要なこと、現地のガイド人と付き添いになること・・・の気が遠くなりそうな文言でした。
私の代わりのこの本の著者が北朝鮮に行ってくれました。
拉致問題が公になる前なので、北朝鮮側も日本人観光客の受け入れも容易かった頃の話になっています。 この本を読めば、まるで私も北朝鮮に旅行しているかような気分に浸ってくれます。
北朝鮮はベールに包まれた謎の国。
ここで詳しく書けませんので、本書をご購入なさるか、または最寄りの図書館でリクエストをお願いいたします。
「フツーのおばさんが見た北朝鮮」
著者:谷合 規子(たにあい のりこ)
出版社:元就出版社
発刊年月日:2010年6月10日
ISBN:978-4-86106-1489-9
定価:1500円+税