あけぼの

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月下美人Part III

2011-08-14 13:47:56 | アート・文化

003 昨年に引き続き同じ茎から今年も咲いた。昨年は1012日だったが、今年は2か月早い8月の同12日の夜だった。今回は一本の茎に3個の蕾をつけた。そのうちの1個が今夜開花した。蕾はぶら下がるように伸びきっていた。開花時期が近づくと蛇がカマ首をもたげるように蕾が上を向きふくらむ。開花後は花の重みで水平になりそして満開となる。香りは強烈で原始的などぎつい匂いで始まる。花は大きく純白だ。

これが一晩で萎えるのだ。短命だから鑑賞の対象として人の心を射るのだ。ビールを飲みながら花の命と我が人生を比較する。短いほどその刹那美に価値が伺え、賞賛され、余韻を残す。人生もかくありたいものだ。

 今年も鉢と茎の安定感が悪く、風で倒され中の土が飛び出してしまった。鉢を替えて祈るような気持ちで育てた。「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」か。だが残りの2個も明日開花するだろう。アメリカでも月下美人を育てた。コロラドの美江子宅から頂いて挿し木をしたもので一回は咲いた。今は隣のスーザン宅で咲いているだろうか。気がかりなところだ。彼女はムーンライト・カクタスと命名したようだが。

 一晩の花の命をいとおしみ、次の開花に期待を託して見つめる我が心情。愛情以外の何もない。自悠人