温かいもてなしの国
アルメニアのエレヴァンから国際バスでジョージアのトビリシに入った。バスで一緒だったイランの若い旅行者、アミール君と一緒にムトゥクバリ川に沿って中心部の自由広場へ。三方を山に囲まれ、この川を中心に開けたトビリシは何と美しい街だろう。彼と一緒にホステル「ネスト」に泊まったが、母孝行息子経営のこのホステルは巣のごとく温かかった。夕食は家族同士のように和やかで自家製ワイン付きの大ご馳走。干し葡萄もとびきり美味だ。聞けばジョージアはワイン発祥の地、ワインという語はジョージア語のghvinoだという。遥々一緒に来てここで寝食を共にしたアミール君と別れるとき彼も寂しさを隠さなかった。その後ず~とメール交換があり、最近FBの友達になった。
多民族が共生する東西の交差点トビリシ
ジョージアの紹介パンフには「ヨーロッパはここで始まった」とある。曰く、欧州最古の人骨が出た、最初のヨーロッパ人はこのジョージアでドマニシ原人として骨が見つかった、欧州最高山頂はここで最高地定住もここ、葡萄の品種数は世界一、品質最高のワインで世界一のおもてなしをする国、とあり、温泉もある。
ホスピタリティーは最高だ。道端で困った顔でもしていたら必ず近くから「メイアイヘルプユー?」が聞こえる。バスの行き先表示が英語でなくて困っていたら、ある紳士がアメリカ英語で「カモン!」を連発、バスに乗せてくれ、降りる場所を運転手に依頼、お礼を言う間もなく去った。散歩中の中年女性が、「日本の震災孤児を養子にして育てたいんです!」。温泉浴場を探していたら片目がつぶれ首にも手術跡のある青年が一緒に探しあて、値段を確認し、「Royal Bathは高いから一般用の浴場へ行きましょう」とSulfer Bathへ案内してくれた。トビリシは「温かい」という意味で、語源は温泉だ。昔王に撃たれた雉が温泉に落ち、癒えて飛び立ったことから王がその温泉の周りに作った都がトビリシだとか。良い浴場で地元民と交流出来た。熱々のチーズパンを齧りながら近くのナリカラ要塞に登った。ムトゥクバリ川、丸屋根の温泉、ゴーリキーが幽閉されていたというメテヒ教会、ジョージア正教の総本山シオニ教会等、美しい国際親善都市トビリシの街が眼下に開けた。続く(彩の渦輪)