寿司屋わさびで飲んだコニャック・アララトは美味だった アルメニア美人の店員さん
第一次世界大戦時、隣国トルコがロシア国境地帯に住むアルメニア人をロシアのスパイと見做してこの地方から追放を企て一説に80万人もの住民が虐殺されたと言われる。ツィツェルナカベルドの丘の上にアルメニアン・ジェノサイド記念碑が建てられ、今も薄暗いモニュメント内には追悼の炎が燃えている。アルメニアが大国に虐げられた歴史には原因があるのだった。それは民族の優秀性が他民族の妬みを買い迫害を齎したことだという。周辺のどの国に逃れてもそこで頭角を現し、自民族の才覚を強調するからだ、と。事実、経済、文化の分野で多くの著名人を輩出している。
3世紀末アルメニアが世界で初めてキリスト教を国家宗教と認めたことは有名だが、広大な敷地に多くの建築物を持つアルメニア正教のエチミアジンは総本山であり訪れる巡礼者が多い。ノアの箱船が漂着したというアララト山も近くに聳え、宗教的逸話や教会の原型的な建物も郊外に遺産や遺跡として残されている。大地震や歴史的な戦禍、民族の変遷を経て現在に至っているのでヨーロッパ諸国で見かける教会とは異なる。規模も小さく、暗いイメージが強い。艶やかさ、華やかさを期待してはいけない。キリスト教の原点はこのコーカサスにあるのだ。ヨーロッパの豪華な教会を見なれた人はこの地の教会を見ればキリスト教観が変わるだろう。
日本で知られているアルメニアは美味なコニャック・アララトの産地、美女の多いことも観光目玉になっているようだ。首都エレヴァンではコニャック製造工場も訪れ、試飲もした。イギリスのチャーチル首相も愛飲したという12年ものは美味しかった。我々が知っているVSOPやXOなどよりも香り、こく、風味まで加算され、深みのある味だった。寿司屋「わさび」で飲んだコニャックは最高に美味だった。(自悠人)