1.遠足中の小学生と、民族建築村にて 2.バスの中で、民族衣装の可愛い子ちゃんと
自由広場近くの地下鉄出口で客待ちしているマムカのタクシーは3回利用した。一回目は古き良き時代のグルジアを見るため民族建築村に行った。ここで小学生の遠足と一緒になったが、アルメニアやアゼルバイジャン出身の小学生がいたので引率の先生に質問しつつ見学した。トビリシでは多くの民族が仲良く暮らしていると話してくれた。旧市街にはユダヤ街、アゼル街、アルメニア街があり、共生して来た歴史がある。2008年のジョージア紛争から丸3年経つが、この紛争はロシアと欧米間の非難合戦の様相を呈している。
マムカの車でムツヘタに出かけた。イベリア王国の首都で世界遺産、ジョージアの旧首都、力士「栃の心」の郷里でもある。ロシアに続く軍用道路の一部を通りジョージア最古のスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂へ。薄暗い大聖堂内で聖像、壁画やイベリア国王の写真が神々しい。ジョージア正教の聖堂は上品な採光法でひっそりとした趣、欧州の教会のように威圧しない。世界遺産の他の一つ、山頂の小さな教会ジュヴァリ聖堂は6世紀建立の素朴なものだがジョージア正教のシンボルで上から見ると十字架の形をしているという。この教会から見下ろす風景は雄大だ。眼下に大河の三叉路が見え、延長上はロシアとトルコへとアゼルバイジャンだ。山肌には可愛い家や教会の尖塔が張り付いて美しい集落を作っている。三叉大河の行方と山肌に巣を作っている人々の幸せを見守っているのがこの十字架教会なのである。道中のえにしだ並木の見事さ。日本のえにしだの数倍の大きさで、並木のアーチを作り、黄金色が辺りを染めていた。マムカに空港行きの予約をした時、おまけだと言ってライトアップした夜の教会に案内してくれ、お礼も拒否した。空港で強くハグし合って別れた。トビリシ空港には大きく「Tbilisi is the city that loves you」とサインがあった。(彩の渦輪)