電気無しで豊かな生活
先月アーミッシュのコミュニティーをいくつか訪問、親切な家族に何組か会えて屋内を見学させて頂けた。ここではオハイオ州アダムス郡のメアリー・ダニエルご夫妻の家庭を紹介しよう。電気と自動車は使わないアーミッシュだ。屋根にはソーラーが並び、太陽エネルギーは地下のバッテリーに保存され、そこからインバーターを経てコピー機やミシンを動かす。部屋の天井にはガスによる灯り。ガスと「ソーラー+インバーター」システムを併用し、便利な生活だ。家具会社を経営している夫婦だが、ダニエルは家では豚の世話をし、メアリーはベビーシッターをし、子ども5人に各種の仕事を分担させ、家族全員働き者だ。テレビ、ラジオとエアコンは無く、Simplicityを重視する。重視するからこそ仕事は無限にあり健康的生活だが、時はゆったり流れ、心は豊かだ。余談だがテレビ受信より外で活動してきた我々夫婦、生き方に共通点が多い。
エネルギーの効率的生産は怖いものだ。つい先月ウクライナを訪問し、チェルノブイリの犠牲になった子どもたちの写真や遺品の玩具、奇形の馬、等に胸を詰まらせた筆者、福島の犠牲者たちが未だ故郷に帰れないでいる現実を他人事と思えない筆者にとって自給自足のアーミッシュ・ライフは魅力だ。なお、アーミッシュとよく似て厳しいルールを守るメノナイトというグループがあるが、メノナイトは電気を使い、車は制限しつつ使う(例えば3軒に1台だけ、とか)。いずれも厳格なキリスト教徒で、教会は持たずシンプルライフを維持し、日常生活でキリストの教えを実践している。美味しいパンにもちょっと触れよう。20年ほど前にもアーミッシュ村を訪れパンを買った。とても美味しかったので今回も沢山求めたが、お店にはお客が溢れていた。チーズその他の酪農品、蜂蜜、ナッツ類等、食品添加物が含まれていない食料は安心でその上美味しい。続く(彩の渦輪)