写真の犬は可愛く見えるでしょう。小型犬はユーゴ、黒い大型犬はミッシェル、賢いという前評判だった。友人イーナの家の番犬で、ここに下宿するまで何度も訪れて顔なじみだった。ご存知、筆者夫婦は20年近く住んだ家を最近売り、筆者のみ大学の仕事のきりのいい学年末までこの家で下宿生活ということにし、正月3日からここに住んでいる。急に受け入れてくれたので感謝しているが、余りにも「快適?」で「感涙!」に咽ぶ毎日である。
感涙#1:写真のように家の中では私に甘え、尾を振ってすりより、膝に手を乗せ、顔をなめる彼らだが夕方からの授業がある日や、帰宅が夜になると家の中から吠え立てる。咬みつかんばかりに。以前我が家の隣のシェパードに両方のお尻を咬まれ、牙の傷が深く一年も苦しんだが、ここでまた咬みつかれて最後の学期を休むわけにはいかない。異常に高いこの国の医療費をイーナは払わないだろうし、イーナを訴訟する訳にもいかない。「この犬は賢いから咬まない」とイーナも使用人のマークも言うが、番犬だからか夜は特に神経質だ。ユーゴは狼のように天を向いて、ミッシェルは大きな口で今にも咬み付きそうにドアの内側から吠え立てる。「馬鹿犬め!」と喚きつつ、大声でマークを呼ぶがアメリカの家は外からの人間の声など聞こえない。イーナは年だから起しちゃ悪い。雨の日、折角早く授業を終えて帰っても馬鹿犬たちが牙をむいているドアへ一人では入れないから濡れそぼりつつ待って待って・・・やっと出てきたマークに「貴方が何と言っても私は一人ではうちに入らないからどうか夜は彼らを貴方の部屋に入れといてよ。」鍵はもってる。家人は「咬まない」と言う。だが犬畜生というではないか。覆水盆に還らず、咬まれない注意をするにこしたことはない。
感涙#2.愛車は過去20年車庫にあったのでドアが開かないという経験は生まれて初めて。寒い今冬の野天駐車で、既に2回ドアが凍りつきOpenerが効かず焦った。ところが何でもある国です。車のキーを差し込む穴の氷を溶かすスプレーや注入クリームがあり、マッチも携帯すれば役立つとか。キーをマッチの火で暖めて穴に差し込むのだそうだ。やれやれ。
感涙#3.賄いつき付き下宿代に百ドル上乗せして渡してある。学生じゃないですからと。無意味というか馬鹿だった。入居して3週間経ったが今まで蛋白質は挽肉しか出たことがない。それも固まりでは無く、シチューやスープの中に泳いでいる挽肉だけ。彼女は7軒も下宿屋やアパートを経営し、お金太りしているのだが。
感涙#4.風呂の浴槽はあるがお湯のタンクが小さいのでシャワーしか出来ない。風呂に入ろうと試みたが7 Cmしか湯が溜まらない。7月のギックリ腰以来筆者は脊椎を温めて寝たいのだが、7 Cmでは横になっても体の半分も浸らない。ぽっこりお腹は空気中。
感涙#5.洗濯機は家を買ってくれた人にプレゼントとして置いてきたがここではまだ洗濯機を使わしてくれない。厚ぼったいタオルや大きいシーツはマークに頼むときちんと畳んで戻ってくる。これだけはナーイス!上着や下着は自分で手で洗う。ナーイスでしょう!!感涙はまだまだありますが、日本に帰る前に底辺の生活を体験するのはいいことと感謝感謝!
(彩の渦輪)
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