かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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けじめ

2006-06-08 | 事例
銀行の不良債権になった時、最近は殆ど100%の債権がサービサーに譲渡されます。

当初は回収方法も慣れて居らず、RCCの物真似のように見られたサービサーの回収方法も
今は当時と格段の相違が有り、各サービサーは個性を持って回収に当っています。
銀行との回収の役割も、担保処分までは銀行、後の無担保債権の残高はサービサーとその
その役割分担も決ってきたようです。

この担保処分後の回収は、元の銀行がやって居た場合と、今のサービサーに譲渡された場合はを比較すると、どちらが債務者にとって有利になっているでしょうか。

現在本屋に並んで居る本を見ると、サービサー譲渡歓迎です。
銀行は出来ないがサービサーならば、間違いなく大幅な債務カットが出きる。
というのがその理由です。

実際はどうでしょうか。

銀行が自分で回収していた時は、確かにそれなり気に極めの細かい回収をして居りました。担保以外の差押えも結構有りました。
しかし、今のサービサーと比較すると、問題にならないくらい甘いです。

債務名義を取られる率も大幅に少ないですし、給料や医師の診療報酬、それに売掛金などは、よほどの時でないと差し押さえはありませんでした。
競売になった後に、残債務を請求されたと云う事は記憶に無いくらいです。

しかし今は違います。
殆どが訴訟となり、債務名義が取られます。
給料でも診療報酬でも差押えは平気です。命とも言うべき売掛金もサービサーにとって見れば美味しいご馳走です。
其れが、債務者だけで無く、知らない間に相続で保証人になった娘まで追いかけられます。
しかも請求は3-4年後に急に来たりします。
実例で比較すると直ちに解かります。
サービサーになったために、回収は確実にきつくなったと言えるでしょう。

この2社の大きな違いは、銀行の時は此れで残債務を請求しませんとは言いませんでした。
しかしサービサーはこれで残債務は請求しませんと言うけじめをつけます。
このけじめ分だけ、債務者にきつくなったと言うことでしょう。

サービサーは言います。
「私共が銀行から譲渡される価格は問題にはなりません。
 私どもは残額全てを請求する権利を与えられています。」
「残があるならば、それに対して全額返済義務はお有りでは無いでしょうか。」

その通りです。
でも私は愚痴りたいのです。
「この借入は、担保評価の半額で処分しても、残債は残らなかった筈です。
 其れが出来なかったのは、銀行さんの責任が大きいのでは有りませんか。」

サービサーに変わって、残債務に対するけじめをつける事が出来るようになりました。
しかし私たち債務者に対する回収は、銀行だけの時と問題でなく、強いものに変わって
居ます。