かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

特権階級

2006-06-27 | 事例
「景気は間違いなく復活している。
 いろいろと景気を現す指数も良くなっているのではないか。新聞に過去最高なんて言葉 が見えるようになっただけでも、よいではないか。」

マスコミにさわがれ、政府の発表数字を見るとつい我々も景気が復活してきたと云う気分になります。
私の一番気にしている失業率も減って来ている感じです。
気のせいかパート募集の張り紙も町の中に増えてきたような感じがします。
私の嫌いな言葉、ニートが減って居るならばれば、間違いなく景気は復活してきて居ると言えるでしょう。

一時代前の言葉、貸し渋りや貸し剥がしと云う言葉はなくなりました。
ビジネスローンは中小企業の資金を潤滑にしました。
中小企業も資金難や売上減で、事業の続行が危ぶまれると言った相談も、私のところでは間違いなく減って居ります。
景気の復活、確かにそう言えるかも知れません。

しかし、中小・零細の企業の会社の整理は、減っているどころか増えている感じです。
興信所の情報に載るような会社の整理ではありません。
もう手形も切れないから、不渡り手形も出ません。お金が無いから弁護士依頼や法的整理も出来ません。
倒産というべきか、廃業と云うべきか解かりませんが、こうした会社整理が増えて居ます。
しかし残念なことには、仕入先や銀行に迷惑をかける会社整理で有る事には間違いありません。

地方の税理士さんも言っています。
「自分の得意先を見ている限りにおいては、決して景気はよくなっていませんよ。」
「私の得意先にも、今年中に何軒かは万歳をしますよ。」
私が会う地方の税理士で、景気が良くなったと言う人は居りません。

暫く前までは勝ち組みと負け組みと云う言葉が流行っていました。
「皆負け組みですよ。勝ち組なんてこの田舎には居ませんよ。」と言う言葉です。
「景気がよいなんて、一部の特権階級だけじゃないですか。」
「そう今の日本には新たな特権階級が生まれているんですよ。」

確かに、先ほどのニートと云う言葉も人を差別化する言葉とも受け取れます。そんな言葉が多くなっているような気がしてなりません。
小泉内閣の取ってきた方針は、一部の特権階級を作り、景気が復活したとPRしているだけのような気が、します。

明日に期待が持てないおびただしい下図の中小・零細企業。そんな企業に少しでも日が当るようになった時、本当に景気は復活したと言えるでしょう。
特権階級は不必要ですし、そうした階級が伸びる社会もどこかにひずみをもって居ると思います。