かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

敗者の尊厳

2006-06-18 | 事例
微笑みながら人を極限まで追い詰める、其れがサービサーでしょうか。

銀行の借金が払えない人、その人にサービサーが銀行に代わって回収にきます。

サービサーは6-7年前に出来たばかりの会社です。
金融機関の不良債権を専門に回収する会社です。
当初は、回収技術も進んで居らず、当時有った唯一の回収専門機関RCCの真似をしながらの回収でした。どちらかと言えば、比較的債務者におとなしい条件で和解をしてくれました。
サービサーに債権が譲渡されれば有利な和解が出来る、とその頃の不良債権解決法の本にもよく書かれて居ります。

それでも採算に合うのでしょう。資本金は5億と言いながら、現在では100社以上のサービサーが設立されて居ります。

小泉内閣の不良債権処理の政策は、おびただしい中小企業の不良債権を生じました。
サービサーの扱い件数は莫大な物だったでしょう。
これと同時にサービサーの回収技術は一変しました

今までが、何処も一時払いの和解を望んで居たのが、各社ばらばらになり、巾が広くなりました。
「この払いで8年間続けてください。そう負担にはならないでしょう。そして8年目に残額 について話あいましょう。」
と、何年か前に、今までは予想すらつかない妥協案が出た時は吃驚したものです。

その後、サービサーの回収はますます強くなりました。
債務者が持っている資財、将来稼げる資財、其れを全額弁済してもらいたいと言うのが
サービサーの言い分です。
債務者の説明にはすべてはっきりしたエビデンスを要求し、見せないと言い分は何も信じて貰いません。
サービサーと同意に達しないと、「では法的回収に移らせて頂きます。」と
債務名義を取る訴状の申立てです。

銀行は回収に厳しいと言っても売掛金の差押えなど滅多にしませんでした。
医師の診療報酬の差し押さえなど実例を探すにも苦労したものです。
其れが日常茶飯事となったのです。

それに法の改正が尚サービサーをやりやすくして居ります。
競売法が変わりました。執行妨害の防止です。しかし今まで執行妨害をしている中小企業の経営者がどのくらい居たのでしょうか。1部の悪質者を取り締まり出来ないしわ寄せを中小企業に押しつけたような気がします。
財産開示など個人情報を此れくらい無視した法律も無いでしょう。そして此れが効果を上げますか。裁判所内で弱いものいじめが出来ます。

何時の間にか、「貸して責任」なんて言葉は消えるし、「貸し渋り」や「貸しはがし」などの言葉もなくなりました。
有るのは「借りたお金が返済出来ない債務者」だけです。此れが諸悪の原因だ。此処から
全額回収しようと云う事だけです。

倒産して全てをなくした人が、更にサービサーに支払うなど出来る筈がありません。
出来るとすれば、途中でうまく債権者の目を誤魔化して懐に入れているのです。
中にはそんな人もいるかも知れませんが、ほんの1部でしょう。
その為に債務者は人格も認められず、大嘘を言って居るように取られて、何も効果の無い差押えをやられ、挙句に生活の基となっている給料すら差押えられているのです。

人間としての尊厳が此処にあるでしょうか。
失敗して敗者になれば、政府の保護で守られたサービサーから、人の屑扱いの仕打ちを受けるだけです。

されにしてもサービサーの人は、安い価格で多額の請求権を買い、人で無い仕打ちを繰り返しながら、急成長をして居ります。
虚業の代表的な会社、それがサービサーだと思います。
其れを政府が懸命に後押しをして居ます。

人の
尊厳を認めず、踏みにじる会社其れがサービサーです。