かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

正義感のある女

2008-03-24 | 事例
社長より、女事務員のFさんの方が、
銀行から信頼されている見たいです。
銀行は良く実績と、今後の見通しを聞きます。
社長は神掛かったような大きいことばかり云って、
実際の数字の把握にも疎いですが、何時も同席をして居る、
20年勤務のFさんは、きちんと補足説明をしてくれます。
的確に掴んだ数字です。

社員も一目置くくらい仕事は出来る女です。しかし社長に
とっては其の正義感だけが時に非常に困るのです。
会社が危なくなった、そろそろ少し個人的に資金を
抜いて蓄財を図りたいですがそんなことは出来そうも
有りません。それどころか仮払いだって気を使う有様です。
と云って代わりになる人は居りませんし、第一急に居なくなれば、
どの銀行も不審に思うでしょう。馘首にも出来ません。

業績は落ち込む一方です。
実際に資金繰りをして居るFさんも大変です。
しかし銀行と掛け合い、保証協会の安定化資金などを
引っ張り出して居ます。銀行も社長が全面的に信頼してる
Fさんを、社長より信頼して居ります。

業績の向上は見られません。
たまりかねた第2地銀が、手形切り替えの時、
担保の売却をついに指示しました。
担保は、本業とは関係の無い賃貸ビルです。
そこで上がる賃料がほぼ返済金と見合って居ます。

社長は直ぐに動きました。協力してくれる不動産屋が
今なら銀行に内緒で社長の取分があると話を持って
来てくれたのです。キックバックと云うのだそうです。
しかし、これは実を結びませんでした。問題はFさんでした。

「其のお金、銀行のお金を猫ババするのと同じと思います。
やるならば勝手にやってください。しかしそれに少しで
関係すること。つまりその時の金銭の授受、帳簿付けなど
一切は私には出来ません。」
と頑強でした。説得しても首を縦に振りません。

其れならば、長く持っていた方が家賃が入るだけ得です。
社長はそこで相場を無視した高い値段で売りに出ました。
売りに出ている証拠に不動産屋もそれでもチラシを作らせました。
しかし其れは銀行の腹案の倍以上の価格です。売れる筈がありません。
銀行は販売価格のダウンを示唆しましたが、社長は
「残額のことがあるから余り安売りは出来ない。」の1点張りです。

手形切り替えは3ヶ月ごとです。其の都度売却の
進行状況をせがまれますが、お客は付きません。
ついに銀行は強い態度で迫りました。
「後6ヶ月のうちに必ず売却してください。当行は、
今の売却価格の半分でも検討します。6ヶ月たって
売れない時は競売をさせてください。当然期限の利益を失います。」
銀行は相場を無視した売却活動に、
「舐められて居る。」と感じたのです。

残念ながら6ヶ月の間に銀行の腹案でも売れず、
銀行は手形書き換えをせず、期限の利益を喪失をしました。
近くに競売の予定ですと云うことです。
しかし此処で、あの銀行思いのFさんに大きな変化がありました。
「此れだけ銀行の為にやってきて、其れが一つ出来なかったから、
直ぐに競売とは余りにも銀行は勝手過ぎる。競売されるとは、
会社は潰れると一緒ではないか。銀行は此れだけ銀行のことを
思ってきた会社を平気で裏切るのか。」

そうでなくても、今の借金は孫子の代まで返済できない。
其れを解決するのはと、社長は第2会社の構想を持っていたのです。
ましてや、不動産が競売になれば、他に取引をして居る4行にも
直ぐ解かる。其れまでに第2会社を作ろう。
ただ此方の秘密事項が銀行に知れたら困る。漏れるとすれば
Fさんからだ。そう思っていたのに、逆にFさんが本気に
なって手伝ってくれれば雲泥の差です。

Fさんならば、何を言っても、銀行は信頼するでしょう。
それに現状の分析は社長以上かも知れません。

第2会社と言っても、取り引き先は5-6社です。
何れも材料至急の工賃仕事、他に競争相手が居ないのも
幸いして居ます。しかしそれだけに売掛金の差押など、
注意が必要ですが、細かい神経を使ってくれるFさんが
やってくれれば成功したも同じです。

正義感の強い女。仕事は出来ますが使い難いです。
しかし其れが手足のように使えれば、男性より役立つことも多いです。





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