かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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診療報酬の攻防

2008-03-28 | 事例
「医者には収入はある。借金の返済なんか出来ない道理はない。」
普通の人はこう考えます。ましてやサービサーにとっては
医者と聞けば、回収出来ないとは考えられません。

Lは歯科医です。
自宅の建築資金の残1億8000万が残っています。
銀行からも相当突かれました。どうにもならずついに
サービサーに譲渡です。何回もの交渉後、サービサーは
和解条件600万を提示、Lは30万しか払えないと云って、
暗礁に乗り上げたままです。

自宅や預金等が解からなくても、医者となれば
先ず狙うは診療報酬です。サービサーは無作為の
銀行預金の差押も失敗して、ついに診差報酬の差押をしました。
しかし結果は他人に既に譲渡されて居て、此れも空振りをしたのです。

サービサーは此処で財産開示を要求しました。
Lは素直に応じています。しかし何処をどう突いても、
本当に資産は無く、突けば突くほど、回収が出来ないことがわかります。
ついにサービサーは診療報酬のことを調べだしました。
その結果、譲渡先は義母であることを知ったのです。

彼は35年前、妻の薦めで開業しました。
蓄え一つありませんでした。そんな彼に義母は開業資金は
3000万貸したのです。生真面目な彼はきちんと借用書を書き、
それに「返済が滞ったり、返済の見込みが信頼できない場合は
診療報酬の受給を義母に変えます。」と云う一札を入れました。
確定日付けなど知りませんでしたから、同じような事をはがきで
送り、日にち証明として取っています。

人がよすぎるのです。自由診療など、患者が希望しても
保険診療を薦めるくらいです。その為に診療所は儲かるどころか
毎月火の車、義母の返済など大きく遅れています。
しかしバブルの頃、彼は更に、妻にけしかけられて
2億4000万の自宅にを購入したのです。勿論直ちに返済は
出来なくなり、その為に若干高利のお金を借りたりして、
やりくりは しっちゃかめっちゃです。

此れは義母の知る処となりました。義母は診療報酬を
守る為にも、自分が譲渡を受け、全額が自分に入金が
あるようにしました。そこから必要額だけをLに戻せばよいのです。

その後、税務署が診療報酬を差押えたことがあります。
詐害行為ではないかと随分調べられましたが結局は
引き下がっています。Lは今回の財産開示で、サービサーに
診療報酬に関することも素直に全部を喋っています。
ただこの時にサービサーは
「お母さんだけに払うとは片手落ちだ。」
と云って居ます。

義母に対する訴状は突然来ました。
サービサーからです。
「Lに対する債権者は義母だけではなくサービサーも
債権者である。其れなのに、義母だけがLの稼ぎを
一人占めにする事はおかしい。サービサーと債権額比で
分けるべきである。このサービサーとの配分を、サービサーが
差押をしたときから要求する。差押をしてから今日までの
サービサーの取り分約600万は義母が受け取っている訳ですから、
其れを義母は返還して欲しい。」
と云う無茶な理由です。
そんな理由が通るならば、あの時税務署もやって居る筈です。

さすがのLも、今度だけは断固闘う決意をしました。
しかし義母宛の訴状ですから義母の協力が必要です。
82歳になる義母で有っても、其の気の強さから、
承諾してくれるだろうと思いました。

しかし此れは義母の腰砕けが有って、間もなく幕となりました。
「裁判所に告訴される。」それだけで義母は大変な罪を
犯しているような錯覚に陥ったのです。それによって、
若し婿の借金が全部自分に降りかかってきたら、破産を
しても追いつかないと云う事です。どんなに説明しても
婿の言う事は聞きません。
毎日婿に直ちに訴状を取り下げるよう催促です。

結局600万で和解をしました。
Lにとっては、又義母に借金が増えました。

Lは今回の件は、争っても絶対負けなかったと、
今での信じています。罪も無い、力も無い老婆が、
知能やくざに負けたと思っています。

国がよかれと作ったサービサー制度は、何の罪も
無い老人を苛める機関となっていたのです。

しかし其れはそうとして此処10年以上苦しめられた
借金から漸く逃れました。気分は又格別です。
600万には変えれません。少しでも働いて義母に
返したいと心掛けています。





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