Hは義父の友人の保証人二人に心の中で手を合わせました。
義父の会社は倒産しました。子会社とも云うべきHの会社は、
保証人が2名、9000万の保証をして居ます。
連鎖倒産と覚悟したとき、メインの信金は保証人2名を呼んだのです。
信金としては「Hの会社の将来性を買っている、保証人2名が
Hを見捨てず今後も応援していくならば、信金も協力しよう。」
と云うわけです。
保証人は此れに逆らって今直ぐ9000万の保証を
追求されても困ります。喜んでHの今後を面倒見ると誓ったのです。
そしてその場で1500万の追加保証をサインして当面のHの資金繰りを
助けたのです。
今時、親会社が倒産して、同じ場所で営業を
続ける子会社が簡単に自立できるほど甘くはありません。
1500万の運転資金はアット云う間に消え、Hは運転資金が
潤沢でなくなりました。銀行は保証人のサインさえあれば
直ちに融資をすると云って居ますが、さすがに2人とも
そんなに簡単に保証枠を増やしません。
県会議員も兼ねて居る保証人は何より世間体を気にしますから、
強く言えば保証人にはなって呉れそうですが、もう一人の保証人は、
息子に云われたらしく、もう頑として新規保証はしない様子です。
Hは懲りず、断られても、断られても、県会議員のところに
保証をお願いに行きます。県議もどうしようも無く、銀行保証は
しませんが、Hの事情を聞き、確実な売上を担保に自己手形を
融通してくれます。
一発こと有れば、自分の信用に大きな傷がつく危険な援助です。
信金も直ちに県議と回収についての話し合いを始めるでしょう。
商売にも影響し、県議の立場も、政敵も多く、
微妙な立場に追い込まれます。
当初県議のやってくれることに感謝していたHは
其のうちに次の事に気がついたのです。
「俺が不渡りを出して一番困るのは、俺より県議だ。
次にもう一人の保証人だ。彼らが俺を助けているように
見せかけているが、実は自分の為にやって居るに過ぎない。」
そう解かると、今度は意識的に県議を脅すようになったのです。
「最後の最後まで頑張りますが、ひょっとすれば不渡りも止むを
得ないと思います。私は其の腹を絶えず覚悟してやって居ります。」
此れで県議はますます泥沼から抜け出すことは出来ません。
県議の会社も四苦八苦の資金繰りです。
このことはたちまち自分の会社に影響してきました。
自分の妻の社長や、しっかり者の経理からクレームが湧いてきます。
特に入金を約束して融通した手形の決済金が入らず、大騒ぎを
したことがあります。ついに県議も腹を決めざるを得なくなりました。
ある時県議は改まってHに云っています。
「此れが最後ですよ。次回から何と言われても出しませんよ。
いや出せ無いでしょう。ほんの運転資金だから、H君も
仕入れ支払い等、少し無理を言えば、できる杜思うよ。
もう1度検討してみてください。又その為に、万一私の
保証金を問われるようなことが出来ても、私は受けて立つよ。」
しかし、次の時にHは又もお願いに行って居ます。
が県議は断固断っています。
この時は、Hは露骨に「出すかも知れない。」と暗に脅しましたが
県議は、途中で座を立って聞きませんでした。
後で聞くとHは自分の遠縁の者から引っ張りだしたらしいです。
「高利の金は借りると命取りになるが、
素人から借りたものは、必ず何回も使える。」
此れが、県議と付き合っているうちに得た、Hの資金造りの秘訣です。
Hは、もうそう長くは無いでしょう。
信金は県議のところに来るでしょうが、県議の商売も
すっかり下火になって弁済する力はありません。
いつの間にか、県議も保証は怖いものではなくなって居ました。
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義父の会社は倒産しました。子会社とも云うべきHの会社は、
保証人が2名、9000万の保証をして居ます。
連鎖倒産と覚悟したとき、メインの信金は保証人2名を呼んだのです。
信金としては「Hの会社の将来性を買っている、保証人2名が
Hを見捨てず今後も応援していくならば、信金も協力しよう。」
と云うわけです。
保証人は此れに逆らって今直ぐ9000万の保証を
追求されても困ります。喜んでHの今後を面倒見ると誓ったのです。
そしてその場で1500万の追加保証をサインして当面のHの資金繰りを
助けたのです。
今時、親会社が倒産して、同じ場所で営業を
続ける子会社が簡単に自立できるほど甘くはありません。
1500万の運転資金はアット云う間に消え、Hは運転資金が
潤沢でなくなりました。銀行は保証人のサインさえあれば
直ちに融資をすると云って居ますが、さすがに2人とも
そんなに簡単に保証枠を増やしません。
県会議員も兼ねて居る保証人は何より世間体を気にしますから、
強く言えば保証人にはなって呉れそうですが、もう一人の保証人は、
息子に云われたらしく、もう頑として新規保証はしない様子です。
Hは懲りず、断られても、断られても、県会議員のところに
保証をお願いに行きます。県議もどうしようも無く、銀行保証は
しませんが、Hの事情を聞き、確実な売上を担保に自己手形を
融通してくれます。
一発こと有れば、自分の信用に大きな傷がつく危険な援助です。
信金も直ちに県議と回収についての話し合いを始めるでしょう。
商売にも影響し、県議の立場も、政敵も多く、
微妙な立場に追い込まれます。
当初県議のやってくれることに感謝していたHは
其のうちに次の事に気がついたのです。
「俺が不渡りを出して一番困るのは、俺より県議だ。
次にもう一人の保証人だ。彼らが俺を助けているように
見せかけているが、実は自分の為にやって居るに過ぎない。」
そう解かると、今度は意識的に県議を脅すようになったのです。
「最後の最後まで頑張りますが、ひょっとすれば不渡りも止むを
得ないと思います。私は其の腹を絶えず覚悟してやって居ります。」
此れで県議はますます泥沼から抜け出すことは出来ません。
県議の会社も四苦八苦の資金繰りです。
このことはたちまち自分の会社に影響してきました。
自分の妻の社長や、しっかり者の経理からクレームが湧いてきます。
特に入金を約束して融通した手形の決済金が入らず、大騒ぎを
したことがあります。ついに県議も腹を決めざるを得なくなりました。
ある時県議は改まってHに云っています。
「此れが最後ですよ。次回から何と言われても出しませんよ。
いや出せ無いでしょう。ほんの運転資金だから、H君も
仕入れ支払い等、少し無理を言えば、できる杜思うよ。
もう1度検討してみてください。又その為に、万一私の
保証金を問われるようなことが出来ても、私は受けて立つよ。」
しかし、次の時にHは又もお願いに行って居ます。
が県議は断固断っています。
この時は、Hは露骨に「出すかも知れない。」と暗に脅しましたが
県議は、途中で座を立って聞きませんでした。
後で聞くとHは自分の遠縁の者から引っ張りだしたらしいです。
「高利の金は借りると命取りになるが、
素人から借りたものは、必ず何回も使える。」
此れが、県議と付き合っているうちに得た、Hの資金造りの秘訣です。
Hは、もうそう長くは無いでしょう。
信金は県議のところに来るでしょうが、県議の商売も
すっかり下火になって弁済する力はありません。
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