かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

女房の感性

2008-04-28 | 事例
Oさんは此処暫く良く寝付けません。
隣で軽い鼾をかいている女房を見れば羨ましくなります。

今まで不景気と云われながらも良く遣ってきました。
其れが今になって、さらに急速に売上が落ちたのです。
食品の衛生などが叫ばれ、此れから海苔加工も、今迄の
不況を取り返すと思っていたのに、逆です。
手形は切ってありませんが、銀行返済が出来なくなりました。

銀行にリスケをお願いして居ます。
担当者は、「リスケは以前の様に簡単でなく為りました。
一寸難しいです。しかし本当に困ったときは遠慮なく云ってください。」
と云ってリスケには応じませんでした。そして、本当に返済が
出来なくなった時に其の月は延滞を認めたのです。
もう3回も遣っています。

今月も危ない為に又お願いに行きました。
担当者の口ぶりは、何時もと違った口調です。
「Oさん、今度で4回目です。4回の重なると、私も本部に
 報告をしなければなりません。すると本部で何と云うか
 解かりません。最悪の場合は担保を頂くようになるかも 
 知れません。何とかならないですかね。」

今までも月末近くになると担当者から電話が入っていたのです。
其れを聞くとOさんは胸が痛くなったのです。お金を揃え切るまで
他のことが出来る余裕がありませんでした。

今回は初めて担保と云う言葉が出ました。
子供の顔が浮かび安眠できません。
今までも、一緒に仕事をして居る女房には良くこぼしたものです。
しかし女房は銀行の言葉など歯牙にもかけていません。

「有るだけ払っていればよいでしょう。
 不渡りを出すわけでないし、銀行だって待って呉れますよ。
 くよくよするだけ損ですよ。」
そう云えば、夜、飲み合う近所の商店会のメンバーも
同じような事を言って居ます。

女房や商店会の友達が言うことは、呑気でよいですが、
共に裏付はありません。勝手に払わないと直ぐに差押は
あるのか、担保は競売になって直ぐに立ち退かなければ
ならないのか、心配は次から次と沸居てきますが、女房には
そんな心配事はお構い無しです。
「銀行はそんなあこぎの事はしませんよ。万一した時は、
 他の事をして食べていきましょうね。」
至って簡単です。

結果として女房の言う通りになりました。
返済出来なかったですが、何も起こりませんでした。

その代わり、正式にリスケをするからと云っていろいろの
書類を要求されました。女房も一緒に聞かせています。
Oさんには解からない書類の作成も帳簿付けをして居る
女房には何となくわかったらしいです。

「解かりました。其れさえ出せばリスケは認めていただけるわけですね。」
「いや検討させて頂くと云うことになります。」
「それだけでは嫌よ。云うとおりに作るから必ず認めてね。」

後で担当者に聞きました。中小企業の共働きの夫婦には
Oさんの奥さんと似たタイプが多いそうです。

くよくよしないで目の前の現象だけの解決だけを考える人です。
解決方法が他の事に影響するかどうかも考えません。
猪タイプです。

しかしその方が中小企業の場合、いろいろ気を
使う男に比して、解決率ははるかに高いそうです。

自分の弱点をうまく補ってくれる女房、少なくありません。





日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします