かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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失敗の念書

2009-04-15 | 事例
「5年間に渡り、経費ではないものを経費として落として有ります。
 此れは修正させて頂きます。3000万近い申告漏れですね。」
冷たく税務官が云った時は何を云って居るかと思いました。
相手が一方的に集金の時に引いた金額。
「値引き処理をして何処が悪い。」怒鳴りたくなります。

そろそろあるだろうと思っていた税務調査ですが、
今回の調査は狙って来たみたいです。

最近この値引きの相手に調査が入ったことを聞きました。
案の上、此処との取引の調査です。
毎月集金の時引いている50万についてです。
相手は利益計上して無いとの事。其れを此方が値引き処理を
して居るのです。累計すると3000万近い金額、どちらかが
修正して利益にしなければなりません。

今は切っても惜しく無い相手ですが、かっては最高額の取引先。
其処の税務署の調査を詳しく聞きたいですが、経理・資金を一手に
握っている奥さんが教えてくれる筈が有りません。
ましてや今回の調査は全く利益が相反しております。

バブルの頃、協同組合を作りました。補助金の関係です。
理事には同業者や取引先ををお願いしたのです。
銀行借入には組合の理事も保証人です。

当初は保証人にも過分の利益配当が出せました。
保証人も喜んでくれました。しかし、長くは続きません。
5年前に3億3000万の銀行債務を抱えて倒産しました。
債務負担で揉めましたが、結局各保証人が3000万づつの、
5名で1億5000万、実質の借り手の理事長の彼が1億8000万を
負担して、各理事、債権者全員が和解に納得したのです。
議事録に記載されて全員が署名して居ります。

会議の2日後、ほっとして居た彼は、あの奥さんから呼び出されたのです。
「Mさん。今回の金額、一応立て替えて内が銀行に払って置きます。
 ただし、この借金は全て貴方が作ったもの。理事は借りるために
 名前だけ貸したものでしょう。其れが、潰れて全員が負担するなんて
 可笑しいわ。内は嫌。あのお金は、Mさんに貸したとして処理を
 しますから、返して頂戴。」

この時にきっぱりと反論しませんでした。当時一番の取引相手に遠慮が
有ったのでしょう。しかし、次の集金日、嫌でも解決に直面しました。
「支払い停止」が起こったのです。

支払いを押さえられると、一番の集金先です。資金が回りません。
出かけて「月50万づつ支払います。」と口頭で納得させて、以後ほぼ5年、
集金の都度引いてきました。通算するともう3000万近くになって居ます。

相手に税務調査が入って、この事がわかり、相手は貸金の返済の
処理だったのを此方と照合したのです。此方は売上値引き処理。
どちらかの処理・申告の間違いと調査に入ったものです。

Mの言い分はしっかりして居ります。
「理事会でも債権者との話し合いでも各人の負担と云うことは
 はっきりしています。集金の時に引かれたものは明らかな
 強制値引きです。税理士とよく相談して処理しました。」

しかし、税務署はこの時既に違う見解を持って居たのです。
この時に、M以外には知らなかった事を持ち出しております。
「言い分は、良く解かります。しかしMさんはこの件が始まった時、
 相手の奥さんに念書を渡して居ますね。それにはこの負担分3000万は
 Mさんが借りたものであり、今後月に50万づつ返済しますと書いて
 あるでは有りませんか。借りたお金の返済と認めて居ますね。」

「いやあの時、ああ書かないと治まりは付きませんでしたよ。
 しかし馬鹿馬鹿しいことで今回報告するまでも無いと思って、
 今まで問題にはしませんでした。真実がそうで有るかは
 税務署も見分けてもらわないと此方も困りますね。」

事実Mは、組合議事録に拘らず、このお金は借りたものであり、
毎月50万づつ返済しますと、便箋に書いて署名をし相手に渡して
あってのです。

今まで組合議事録しか関係ある書類は、無いと思っていた人は
びっくりしました。特に今まで力を貸してやるといっていた
税務署OBの税理士が此れを見て手を引いたのは痛かったです。 

「そうした不利の書類を可かさたれたならば、最初に自分から
 其れを説明すべきではないか。其れを税務署に指摘されたから
 初めてオープンにして、祖の挙句が税務署に自分が正しいと
 判断しろと云っても何か此方に無理が有る気がする。」
税務署OBの税理士などもこのことを感じたからではないでしょうか。

Mは争いに負けました。
書いたことも悪いが、意志に背いたことを支払いを盾に
無理に書かされたならばそうした態度が出来る筈だ。
此方の人間まで皆感じてしまったのです。事態がこうなった時に、
Mに「認めましょう」と進言すると直ぐに認めました。

それにしてもMは、奥さんから今まで値引き処理をしていた
3000万近い金額を、売掛金の無集金として請求を受けました。
税務署は5年間遡り延滞税から何もかもで2000万一寸修正申告を
強要されました。

売掛金回収の為に、後先を考えずに書いた念書、5年後の今日、
候まで大きな影響があるとはMも考えても見なかった事です。





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