かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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格好良く保証したばっかりに

2009-04-21 | 事例
債権者に囲まれて義兄も姉も真っ青です。
気まずい沈黙をPが破りました。
「皆さん返済を4年くらいにして頂けば私が全部お支払いします。」
Pの債務肩代わりです。
証として小切手が何枚も切られました。

この時の格好よさ、Pは金で買えない快感を覚えます。
Pが良く肩代わりをする理由です。

この場合は額が大きかった。月に100万くらいになります。
しかし会社は月商2000万。其のくらいは何とかなります。

リーマンショックは大きかった。
売上は2割に減ったのです。
相手の社長は小学校からの幼友達、でもどうにもなりません。
Pは預貯金を叩いても、この保証債務が払えなくなりました。

そんな頃、Pに外車を売りに来たセールスが居ました。
Qです。Qは、
「小切手でお金を貸せる金持ちを何人も知って居る。
 Qの手数料も入れて月イチならば幾らでも面倒見るよ。」
と持ち掛けたのです。
渡りに船、Pはためらいも無く、この話に乗りました。

順調です。
Pは借金を返せます。実際にはQに変わっているだけですが、
気付きません。Qは女に貢ぐ事が続いて出来ます。
今やって居ることは、Qの部長の席も賭かっては居りますが。

Qが如何に外車を売って、資産家を知っていても、金づるになる人は
そうは居りません。半年で行き詰って来ました。
そろそろPから回収時です。
と云われても、Pに今までの借りるための小切手を実際に
回されては、落とす力は有りません。
Pは腹を決めて不渡りを出すことをQに告げました。

Qは一大事です。部長職は勿論職まで失い、生活すら困るでしょう。
それにPの為に借りた借金も追いかけてきます。

「不渡りを出してはならない。」
やくざまがいにPを脅し始めたのです。

そして万一のことがあってはと思い、Pの不動産を調べたのです。
銀行の担保にはなっていても、若干余裕があると思っていた不動産。
つい最近、全てに第2抵当が組まれています。
かっとなって、此れを問い正しましたがPは答えません。
この時から二人は完全に相反する二人になったのです。

Pには一つの勝算がありました。
銀行は一行。しかも全部保証協会つきです。
いざと云う時は担保付で保証協会に代位弁済になります。
今回何があっても本業では誰にも迷惑を掛けて居りませんから、
幼馴染の社長に 頼んで口座だけは維持して貰います。
そして商売は絶対に続けるといえば保証協会も不動産処分までしません。

保証債務も、もう元金70%は押しなべて返済して居ります。
無理なことも、言って構わないと思います。
あわよくば、此れで免責して貰います。

そうすればQだけです、
しかしQだって今までに幾ら肥やして居るか、計算すると莫大のものでしょう。
それでもQのこと、何かやってきても、何もなければ平気です。

そう思って、ついに不渡りを出したのです。

Qは劣化のごとく怒りました。
「急場を救った恩人を殺すつもりか。」
しかし長く続きませんでした。
Qが刑事告訴されてのです。
Pだけでなくほかでも同じようなことをして居て、保全策を実行の為に
恐喝まがいのことをして、それから今の金貸しが問題になったみたいです。

どうであれ、最高に嫌だった人はもう請求が無いのではないでしょうか。
一安心です。
しかし実際はそう上手く行きませんでした。
残債は免責と思っていた業者の中には手強い奴が居てそうならず、
不動産を差押えてきたのです。

第2抵当権者は人に金をかせれる人で無い、第1抵当権者には決算書から見て、
担保には余力があると思って、競売をかけてきたのです。
相手の読みが正しく、競売になりました。
相手の配当は僅かです。そのお金も有りませんでした。

相手の世辞に保証人となり、格好付けも有って肩代わりをし、
ついに本業で作った資産を全部なくした男の物語でした。





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