かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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追いかけ心理

2008-03-03 | 事例
全ての支払いの振込をして居る顔なじみの
MU銀行から電話がありました。
「預金の差押が入りました。」と言うのです。
「残は2万くらいです。暫くはご入金は遠慮したほうが
良いです。毎月5日に議員年金の入金がありますね。
次回の分は振込先を変えてください。」

Sは又煩わしいことが発生したと思っただけです。
今の債務残は、保証協会が18000万、国金が300万、
それに去年の7月に譲渡されたサービサーが1400万です。
恐らくこのサービサーからの差押でしょう。

しかしそれから3日後に届いた差押命令を
見て驚きました。やはりサービサーの差押でしたが
何と10箇所も差押えて居るのです。大手銀行が3行、
地方銀行が2行、それに信金が2行、後はゆうちょ銀行と、
かんぽ生命と、かっての簡易保険の計10行です。

それぞれに「何百万に満るまで」となっており、
其れを合計すると1400万になります。

恐らく自宅の近くの銀行を当てずっぽうに押さえたのでしょう。
しかし其の中にMU銀行の2万の他、2行に預金があったのです。
1行が25万、1行が11万です。

彼は昨年4月で議員を引退しました。
其れまでは債権者には僅かづつ返済していたのですが、
引退を機に、全て返済を打ち切りました。
その中にサービサーも1軒あったのです。
このサービサーはRCCから譲渡された処です。
「300万払って下さい。その後は議員を続けるかぎり
2万づつ払って頂きませんか。議員を辞めた後は
前向きに考えましょう。」
と云う言葉を、残放棄をして呉れるのだなと勝手に
自分の都合の良いほうに解釈していたのです。

事実返済を止めてもサービサーは何も言ってきません。
ただ1度電話がありました。今後払えるかと云う確認です。
もう無理だというとそのまま伝が切れました。変わりに
来たのが更に又違うサービサーに譲渡しますという
譲渡通知でした。其のサービサーが今度差押えたサービサーです。

去年の7月ごろ新しいサービサーとやり合って居ます。
「以前のサービサーはもう債権放棄をしてくれると
言うような口ぶりでしたが。」
「其れは私どもにはわかりません。若し文章で決まった
約束ですと私共も其れを引き継いで居ます。若し口頭で
したら、恐れ入りますが以前のサービサーと話合って
いただけませんか。」
撥ね付けられました。

「もう年金以外、入金はありません。したがって返済は
無理になってきています。毎月の返済は食べるのに
やっとですから、幾ら少ない額でも出来ません。ですから
一括で払うしか有りませんが、知人から借りるにしても、
20万以上は借りることは出来ません。」
しかしサービサーは承知しません。

法的回収に移らせて頂きます。と云って間もなく
訴状が届いたのです。全て放っておきました。
確か昨年11月に敗訴の通知が送られてきました。
それでも以後何もせずに、今日まで放っておきました。

彼は万一の時は真っ先に預金差押があると聞いていました。
其の対策は充分に取ってあります。しかし議員生活20年の
内には何行も通帳が出来ました。残高も見ずに、もう何れも
残は無いと思っています。訴訟が起きた時に、余分なものは
整理してくれと、通帳と幾つもある印鑑をすべて奥さんに
渡しました。勿論どの通帳にどの印鑑かは解かりません。
キャッシュカードもありません。

奥さんも通帳残も良く見ずに空の通帳と思って、
放っておいたのが、差押えられると全てで38万あったのです。

差押えられると何故か急に怖く成り出しました。今までは
差押なんて人事と同じです。脅しだけでないだろうと
思っていました。其れが現実にあり、しかも予想すら
しないお金が、たった38万でも差押えられたのです。
今まで完璧と思っていた、本命の銀行がばれることは
無いだろうかと云う心配も急に湧いてきました。
又家財の差押は無いと聞いた居ますが、此れも心配弐なって
来ました。車だけは最近買い直したのです。差押、今までは
軽く見ていたのが急に重くのしかかってきたのです。

前のサービサーに300万払うとき、またはつきの返済を
とめる時、もっと真剣に話し合うべきだったと後悔しても
追いつきません。

38万差押えられた為に、彼の心は更に揺れ動いております。
次にサービサーが和解を言ってきたときは相当に高い和解金を
払うことになりそうです。





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