かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

転がり込んだ福

2009-04-03 | 事例
その電話を頂いた時に一瞬耳を疑いました。
「利益が出すぎてお金が余って居ます。今までの膿を少しでも
 整理したいですが、一杯残って居ますからどんな順序で
 整理を考えればよいか相談に乗って頂けませんか。」
「何? 払えなくなって万歳と違う?
 お金が余った? そんな事が有るの?」

5年ほど前に、アドバイスした事があります。
その時は任意整理を薦めました。
間際になると云うのに、当月の手形決済すら難しかったのです。
自分は飲まず食わずの生活のうえ、まだ未完成の工事代が入らないと
不渡り必至と云う状態でした。

親戚から借りまくって居ました。
もう借りれる相手はヤミ金しかないような状態でした。
「此れで会社が駄目になれば貴方は当面の生活費すらなく、
 惨めなものですよ。今はまだ一切の返済屋支払いを止めれば
 まだ何とか当座の生活費くらい出るから今の内に整理しましょう。」
しかし彼はのたれ死んでも会社は続ける。家族も其れを希望していると
聞かなかったのです。
ヤミ金だけは手を出すなと納得させるのが漸くでした。

その後の電話も当座を逃れる方法の問い合わせ電話だけで、
ますます終りを予想させるものでした。それから2年近く音信普通でした。

心配して出した年賀状を思い出して電話したと云って居ました。
「普通のところは仕事も無いといっているよ。
 何でそんなに儲かったの。何か特別のことでも有ったの。」
「いいえ、うちは今までと同じ仕事ぶりです。」
「じゃあ、一体どうして?」
「元請と中間の2軒が倒産してその仕事が全部回ってきたのです。」

発注元から彼に仕事が入るまで、中間業者が2軒居たらしいです。
其れは前回アドバイスした時もこのために仕事は赤字かよくて
トントンと云って居たのを思い出します。
その2軒が相次いで倒産したと云うのです。
先に元受の倒産、次いで下請けが連鎖したみたいです。

困ったのは発注先。流れを調べると発注した仕事は、Tのところに
全部流れていることが解かったのです。しかも元請は丸投げで下請けに、
下請けは丸投げでTに、発注していたのです。

管財工事が主体の設備、都会ならば代わりの業者に不自由は、
しないでしょうが山間の温泉地、近くに代わりも居らず、結局は
全部わかって居る、しかも真面目なTと直接やるのが一番良いと
決めたらしいです。今までの工事代金の残額を支払い、工事を
完成する約束ですんなり話が決まったのです。

Tはこの時に発注した価格の65%くらいで請負って居たと解かりました。
1軒で20%筒のマージンです。発注元は2軒のマージンは多くても10%づつ、
丸投げだから両方で15%くらいと踏んでいた節があります。
だからTに対して価格を値切らなかったと思います。

この価格差が4000万以上あり、これがTに入ってくることになったのです。
3月末で3500万以上余分に入金になって居ります。
5月決算までには全て終わり、結局4000万以上が予想外のお金です。

今時、嘘みたいな本当の話があったのです。

「後8000万の工事があって、其処も倒産した業者に依頼する
 予定だったらしいです。うまくすると回って来ます。
 利益率は変わりません。」

安心して余ったお金の処理に目を向けます。

「先ず貴方と息子との給料を取りましょう。2世帯で税込み40万とは
 良く我慢してきたものです。カードローンでトラぶっているのが
 ありましたね。税金も金利が高いです。利益が出ても、繰越赤字が
 ありますから関係有りませんが、消費税は何年来払っていません。
 親戚にはどうしても返したいのです。」

4000万くらいは足りません。
次の8000万の工事を頂けば、漸く資金も潤沢になったと云えるでしょう。

それにしても、親戚から何との罵られようが、家族で給料も取らずに
真面目にしがみ付いてきたから、神のお情けが有ったのでしょうか。
せめて次の受注も回ってくることを願います。





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