【平成30酒造年度全国新酒鑑評会 金賞銘柄一覧(仙台国税局)】
〈岩手〉 あさ開/あさ開
酒造り
おかげさまで創業より149年 あさ開 蔵元紹介岩手は、古くから南部杜氏の里として知られた酒どころ。 明治4年の創業より、日本酒『あさ開』は、米、水、技に恵まれたこの地で豊かな自然に磨かれ、愛すべき人々に育まれてきました。そして、百三十有余年たった今も酒の里・岩手を代表するブランドとして地元で、全国で、海外で・・・と高い評価をいただいております。 ここでは、南部杜氏によって受け継がれた、あさ開の酒造りの様子をほんの少し紹介します。
杜氏あいさつ-2005年度 厚生労働大臣賞「現代の名工」 南部杜氏 藤尾正彦
南部杜氏の故郷として知られる岩手県紫波郡に生れ、18歳の時に親戚のつてを頼って千葉県の酒蔵に出稼ぎして以来、半世紀にわたって酒造りに携わる。
全国各地の蔵でその腕を磨き、1984年よりあさ開の杜氏に就任。
平成17年度に厚生労働省の「特定技能者表彰制度(現代の名工)」選出。
『酒造りは農業。手間暇を惜しんではいけない。』と語り『常に基本に忠実である事』がモットー。
酒づくりの基本は「1麹、2もと(酒母)、3造り(もろみ)」
米づくりをしながら、農閑期に酒蔵に出稼ぎに出るというのが、昔からの南部杜氏の姿でした。私も、周囲の習慣に習って、 千葉の酒造会社に出稼ぎに出たのをきっかけに、半世紀近く酒造りを続けているわけですが、酒造りの基本は、人力であろうが、機械であろうが今も昔も変わり ません。
「1麹、2もと(酒母)、3造り(もろみ)」と言う言葉があって、酒造りを左右する大きな要素になっているんですが、最初の工程である麹づくりはもっとも 気の抜けない作業で、2昼夜が勝負。温度、湿度などの環境によって変化を重ね、ひとときも休むことなく発酵の度合いを変えていきます。たった2昼夜で全ての味に影響を与えてしまうなんて、酒はほんとうに生き物という言葉がピッタリです。
岩手の酒を岩手の米で。
基本となるのは原料の米もそうです。酒造好適米の中で、兵庫県の「山田錦」にかなう米は無いんですが、収穫量も少なく、 岩手では以前は手に入れることは難しかったんです。そこで岩手で酒に適した米を栽培しよう、と様々試験栽培した中で、長野が原産の「美山錦」を岩手で栽培 することに成功しました。
その後、岩手で開発した米、独自の酵母による酒が出来ないかと、研究を重ね、その願いが8年越しで実を結んだのが、岩手県産酒造好適米 「吟ぎんが」です。50%まで丹念に精白して爽やかな香りと軽快な飲み口が特徴で、大変好評をいただいています。これからは「山田錦」を超える米・酒造りが目標になります。
日本酒は楽しく、美味しく。
最近は、若い世代で日本酒を楽しむ人が減っていますが、もっと多くの人においしい日本酒の味を知ってもらいたいと思って います。 日本酒は一般的に、次の日に残りやすいとか、酔いやすいといわれてますが、適度に飲めば健康によいものですし、最近ではお肌に良いと、女性に注目されていますよね。 あさ開では、純米酒をベースとした「和のリキュール」を数種類造っておりますが、「豆乳で造ったお酒」のように若い方のみならず年配の女性にも好まれるコクのある味など、多様化するニー ズにお応えしていきたいと思っています。 ぜひ、食事や、会話を楽しみながら、お酒の味も楽しんで欲しいですね。
株式会社 あさ開 岩手県盛岡市大慈寺町10番34号
ブランド一覧
「あさ開」大吟醸 金賞受賞酒令和元年・純米大吟醸 磨き四割 極上・純米大吟醸 磨き五割・大吟醸 磨き三割五分・オールいわて・純米大吟醸 平泉黄金伝説 などなど
酒造好適米「美山錦」について
華やかな香りと軽快な味わい
酒質としては、繊細な香りを持ち、軽くスッキリとした味わいに仕上がることが特徴。バナナや完熟メロンのような、やや派手な吟醸香と、細身ながらフルーティーな味わいを感じられます。「五百万石」に近いですが、同米よりやや華やかな香りです。
吟醸酒や純米吟醸酒で、華やかな香りを楽しみながら軽快に飲みたいという酒に向いています。
冷涼な気候に強い酒造好適米
昭和47年(1972年)、長野県農事試験場で「北陸12号」を母に、「東北25号」を父とする「たかね錦」に放射線処理を行い、突然変異したものの中から、粒が大きく、心白の発現率が高いものを個体に選抜した品種です。昭和53年(1978年)に「美山錦」と命名され誕生しました。名前の由来は、北アルプス山頂の雪のような美しい心白があることに由来します。
「たかね錦」も、昭和14年(1939年)に同試験場で誕生し、昭和27年(1952年)に命名された酒米です。「たかね錦」は酒造好適米ですが、小粒で、発酵に重要な心白発現率が低く、雑味の原因となるたんぱく質含有率が高いという欠点がありました。その欠点を解消するために開発されたのが「美山錦」です。「美山錦」と「たかね錦」の先祖には、幻の米と言われた「亀の尾」があります。
生産量は「山田錦」「五百万石」に次ぐ、生産量第3位。「五百万石」と同じく、早く成熟する早生品種で、長野県を含めて東北、北陸、関東で幅広く栽培されています。
耐冷性にも優れているため、同じく冷涼な気候向けの新品種の親株となることが多く、「出羽燦々」や「越の雫」がその子品種にあたります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます