「はまぐりごはん」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 ハマグリ、しいたけ、人参
歴史・由来・関連行事
茨城県大洗岬から千葉県犬吠埼にいたる海域の鹿島灘は、親潮と黒潮がぶつかる潮目であるため、豊富な海の幸に恵まれる。鹿島灘の砂地が続く沿岸部では春ごろになると、産卵前の大ぶりなハマグリがとれる。時に10cmを超えるハマグリがとれ、市場では「鹿島灘はまぐり」の名で高値で取引されている。「鹿島灘はまぐり」は、和名を「チョウセンハマグリ」というが、その名前から輸入品と間違われやすく、平成7年(1995年)から「鹿島灘はまぐり」と名付け、県をあげてブランド化している。
現在、国内で流通しているハマグリの多くは輸入品で、国産ものはわずか10%ほどと希少な食材となってきたが、そのうちの半数以上が鹿島灘産である。そうした希少な「鹿島灘はまぐり」を守るため、大洗町・鹿島灘・はさきの3漁協では、輪番制で計画的に漁をおこなうなどの管理を徹底するなどの保存活動がおこなわれている。
いまでこそ希少となったハマグリではあるが、昔は大洗や鹿行(ろっこう)地域の沿岸部でよくとられていため、茨城県では身近な食材であった。とれたハマグリを新鮮なまま刺身や網焼きで味わうものから、味噌汁に入れたり、酒蒸しにするなど、さまざまな調理方法で親しまれてきた。「はまぐりごはん」もはまぐり料理の定番料理として、家庭でもよく食べられてきた。
食習の機会や時季
ハマグリの旬は春だといわれるが、「鹿島灘はまぐり」は、6月から7月頃がちょうど産卵前の時期となるため身が肥え、旨味も濃くなるという。
ハマグリの貝殻は、大きさやちょうつがいのかたちが違うため、一度外すと他の殻と決して合わないことから、結婚式や雛祭り、お正月など、おめでたいハレの席で振る舞われてきた。
また、ハマグリがたくさんとれていた頃は、時期に関わらず、家庭ごとの味付けで「はまぐりごはん」がよくつくられていた。
飲食方法
ハマグリを食べやすい大きさに切り、千切りにした人参、しいたけとともに油で手早く炒め味付けをする。炒めすぎると身がかたくなりすぎてしまうので注意が必要。
米に炒めた時に残った煮汁と水を入れて炊き上げ、最後に具を混ぜ込んでいただく。各家庭によって味付けや、入れる具材が異なる。ハマグリのぷりぷりとした食感と、旨味を存分に味わえる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在でも、各家庭でつくられている。また大洗駅では駅弁としても販売されており、観光客からも人気を博している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hamagurigohan_ibaraki.html より
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