「南津海-なつみ」
5月10日、山本柑橘園さんを訪問しました。南津海は山口県大島で誕生した新しい柑橘。交配者は、山本柑橘園の山本さんです。
「おいしいものから、おいしいものが生まれる確立が高いのは確か。」をモットーに、育種に選ばれたのが「カラマンダリン」と「吉浦ポンカン」。「カラマンダリン」は糖度が高く酸味も含む。この糖度を活かそうと思い掛け合わせられました。
カラスのおかげで南津海は存続
南津海となる樹は、当初、まったく美味しくなかったので、1本を残し全て伐採したそうです。採っても仕方がないので、実をそのまま成らせたままにしておいたその1本。その実をカラスの集団が1日で全部食べてしまった。カラスが南津海の食べ頃を教えてくれた。
これが、最晩生品種「南津海」の誕生秘話です。カラスがいなかったら、南津海が世に出回る事も無かったわけで、我々苗木業者にとってもありがたいカラスの存在でした。
ミカン農家なら、温州みかんの出荷が終わり、ハウスミカンまでもう少しの端境期に収穫できる。観光農園なら、イチゴが終わり、ブルーベリーが始まるまでのゴールデンウイークを含むこの時期に収穫。「ゴールデンウイークはミカン狩り」なんてキャッチフレーズは面白くありませんか。
糖度も高いがそれに合わせた酸があり、糖酸のバランスの良い品種。収穫が5~6月になるので、最後の収穫品種として植えておきたい。鳥害に注意。
*http://www.ykken.jp/14685570116885 より
■南津海(なつみ)とは?
●「カラマンダリン」×「吉浦ポンカン」
「南津海/なつみ」は山口県大島郡において育種家の山本弘三氏によって1978年に「カラマンダリン」と「吉浦ポンカン」とを交配し生まれた実生から育成された品種とされています。ただ、この実生は交配実生ではなく、珠心胚実生(しゅしんはいみしょう)といわれる、もともとの親「カラマンダリン」の細胞から生まれた実生であることが判明しているそうです。
実がなった当初は、一般的なみかんと同じように色付いた冬に試食したところ酸味が強すぎて美味しくなく、失敗作と思われたそうです。ところが、そのまま実が付いたまま春になるとカラスがその実を全部食べてしまったことから、翌年春まで木熟させたものを食べたところとても甘く美味しいみかんになっていたとの事です。それにしても・・・カラスはどうやって甘くなったのを見分けるのでしょうね?
この「南津海/なつみ」はもともと糖度が高くなる素質がある上、樹上で完熟させるため、酸味が落ち着き更に高糖度に仕上がります。作られている量も少なく、この特別な甘さから、高級柑橘として扱われています。
名前は「夏に食べれるみかん」という事で「なつみ」とされたそうです。
●南津海(なつみ)の特徴
大きさは200g前後で、やや濃い目の橙色をしています。表面は少しデコボコしていてあまり綺麗な幹事ではありません。皮も少し厚くゴワゴワした感じですが、手でも剥きやすく温州みかんのように房もはずしやすくなっています。
ジョウノウ膜は少し厚いですが、そのまま食べられないほどではありません。そして食べると、中のサジョウはプリッとしていて、それが潰れた途端濃厚な甘さが口の中いっぱいに広がります。正に高糖度みかんと言った感じです。
■南津海(なつみ)の産地と旬
●南津海(なつみ)の主な産地と生産量
なつみ/南津海は現在山口県だけでなく西日本各地のみかん産地で作られています。上のデータは政府がまとめた平成23年産の全国の生産量です。主な産地は愛媛県や和歌山県で、次いで山口県となっています。
●なつみ/南津海の収穫時期と旬
なつみ/南津海は5月頃から花が咲き、冬には実が色付きますが、その後、木になったまま完熟させ、4月から5月にかけて収穫されます。なので、収穫時期と花が咲く時期が重なるそうです。ハウス物も栽培されて入るようですが、露地物の食べ頃の旬は4月中旬頃から5月です。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/natumi.htm より
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