「鮟鱇 あんこう」
アンコウ(鮟鱇、華臍魚)とは、第1義には、アンコウ目中の、アンコウ科に分類される魚の日本語における総称である。
語源
「あんこう」の語源については「あんぐり」の語に由来するとの説や「赤魚」の意味であるとする説など諸説ある。岩穴にじっとしている様子を「安居」と称したとも、「顎」「暗愚」が転訛したなどととも言われる。ただ、『大和本草』に「國俗鮟鱇ト称ス未見出處恐可為妄称」とあり、江戸時代より不明である。
漢字表記はその音に「安康」のそれぞれの字に魚偏を付けた字(鮟・鱇)を当てたものである。「鮟」は古く中国でナマズを意味する「鰋」の異体字「𩷑[魚(日/女)]」の誤字として見られる。一方の「鱇」は日本で形声で生み出された国字とされている。漢語では「華臍魚」「綬魚」「琵琶魚」「老婆魚」などというが、現代中国語では日本語を輸入し「鮟鱇」「鮟鱇魚」と呼ぶ。
「あんこう」が初めて文献に登場するのは室町時代で、文明以前成立の『精進魚類物語』においてである。『精進魚類物語』は擬人化させた魚鳥を戦わせる『平家物語』のパロディーで、作中に「あむかうの彌太郎」が登場する。
慶長年間成立の『日葡辞書』に「Ancŏ l, angŏ」とあり、当時「あんこう」「あんごう」どちらの読み方も存在した。
『文明本節用集』に「有足魚也 心気良薬」、『日葡辞書』にも「川魚の一種で、足のある魚」とあることから、当時はサンショウウオを意味したとする説がある。現在でも兵庫県や岡山県の一部でオオサンショウウオを「あんこう」と呼ぶ。更に房州弁では「あんごう」はヒキガエルを指す言葉として残っている。
*Wikipedia より
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