昨年、何かと話題になった映画「おくりびと」については、小欄「2009/3/20おくりびと」で触れたように多くの感動を与える映画だった。なかでも食のシーンも強く印象に残り忘れ難い。
映画の後半、クリスマスの夜に骨付きフライドチキンをむしゃぶりつくシーン、更に秀逸だったのは山崎努扮する社長が自分がこの職業についた経緯を説明しながら「これだって遺体だ。生き物が生き物を食って生きている。申し訳ないけど美味い」といいつつ河豚の白子をチューチューと吸うようにして食べる。
脚本を書いた小山薫堂氏は「塩をふった河豚の白子焼きは、ぼくも食べるたびに『申し訳ないけど、美味いな』と思いながら食べているんです。白子って男にとって、特に命をいただく感覚がありますよね、精子ですから。山崎さんは『困ったことに、美味いんだな、これが』と言いますけど」と述懐している。
この二つのシーンが頭から離れなかったが、その機会にやっと巡り合えた。先日開催されたJA産直まつりにのぞいて念願の河豚の白子を入手した。
白子が美味しい魚は数少なく、これからの時季、スーパーの店頭に並んでいるのはせいぜい鮭や鱈で、河豚は滅多にお目にかからない。
店のご主人に聞くと、酢の物、汁物、鍋物、焼き物・・・何でも良しというが、映画の通り軽く塩をふった「焼き白子」をポン酢でいただいた。
山崎さんのセリフ通り、「美味しいですね。困ったことに。」のお味だった。口にいれた時のふわっととろけるあのクリーミーな食感が堪らない。惜しむらくは値段が高いことと、そうそう何時でもある訳ではないことだ。
映画の後半、クリスマスの夜に骨付きフライドチキンをむしゃぶりつくシーン、更に秀逸だったのは山崎努扮する社長が自分がこの職業についた経緯を説明しながら「これだって遺体だ。生き物が生き物を食って生きている。申し訳ないけど美味い」といいつつ河豚の白子をチューチューと吸うようにして食べる。
脚本を書いた小山薫堂氏は「塩をふった河豚の白子焼きは、ぼくも食べるたびに『申し訳ないけど、美味いな』と思いながら食べているんです。白子って男にとって、特に命をいただく感覚がありますよね、精子ですから。山崎さんは『困ったことに、美味いんだな、これが』と言いますけど」と述懐している。
この二つのシーンが頭から離れなかったが、その機会にやっと巡り合えた。先日開催されたJA産直まつりにのぞいて念願の河豚の白子を入手した。
白子が美味しい魚は数少なく、これからの時季、スーパーの店頭に並んでいるのはせいぜい鮭や鱈で、河豚は滅多にお目にかからない。
店のご主人に聞くと、酢の物、汁物、鍋物、焼き物・・・何でも良しというが、映画の通り軽く塩をふった「焼き白子」をポン酢でいただいた。
山崎さんのセリフ通り、「美味しいですね。困ったことに。」のお味だった。口にいれた時のふわっととろけるあのクリーミーな食感が堪らない。惜しむらくは値段が高いことと、そうそう何時でもある訳ではないことだ。