オ-2ポイントは、森山 義博氏(四天王寺大学 講師)と辰 義孝氏(富田林の足跡化石と化石林実行委員会 代表)により、2014.7.29.に発見されました。
オ-2ポイントは金剛大橋下流部120mの石川右岸(東側)にあり下天溝(しもあもど)井堰からは40m程の距離です。120mの範囲内でオ-1、オ-2、オ-3と3つの足跡化石が発見されています。
川の土砂を取り除けば、新たに足跡化石が存在すると考えられ、今後期待できる100万年もしくはその少し前の貴重な自然史遺跡と考えられます。
2014.7.30.
前回ご紹介したオ-1ポイントより、オ-2ポイント(丸印)が見えます。写真は調査中の樽野 博幸氏(大阪市立自然史博物館 地史研究室 外来研究員)と森山氏、辰氏の諸氏。この日は、J:COMさんの取材もありました。オ-2ポイントは石川右岸、オ-1ポイントより約50m離れています。上流部に金剛大橋が見えます。上流部の井堰は下天溝井堰。
2014.7.30.
多くの円形の痕跡がありますが、これがゾウの足跡化石です。狭い面積に30個以上存在します。ほとんど河床と高度差がない為、増水時には川の流れに洗われてしまいます。
2014.7.30.川の流れに洗われたようで、全体的にのっぺりした感じです。足跡の密度はオ-1より濃いようです。アケボノゾウの足跡化石は直径が25~35cmで、蹄(ひづめ)の跡が残っています。日本には500~2万年前まで8種類のゾウがいたことがわかっていますが、アケボノゾウを始め、いずれも絶滅してしまいました。
2014.7.30.
円形の輪郭がよく残っています。クリーニングして、中の土砂を除去すれば、もっとはっきりわかると思います。
2014.7.30.
遺跡はほぼ水平面に存在します。露頭部分はこのように狭いですが、化石の密度は濃く30個ほど確認できます。ここからすぐ、40m程の上流部の下天溝井堰の下にオ-3ポイントがあります。また、対岸の斜め50m位のところ(写真の調査しているところ)に、オ-1ポイントがあります。
2014.8.06. 上流部より下流部を別の日に撮影
この辺は川底も大阪層群です。
2014.8.06. 円形の輪郭がよく解ります。
2014.9.19.
8月10日の台風11号の増水後、さらに水に洗われのっぺりとした感じに変化しています。輪郭が解りにくくなりました。
2014.9.19.
河床に近いだけに、今後どんどん見にくくなると考えられます。今のうちに十分な調査と記録が必要かもしれません。
ではなぜ今になってこの足跡化石が発見されたのでしょうか?
それには2つの要因が考えられます。
1.2年くらい前に、河川工事で、河床までブルドーザーが入り、流路変更が行われたこと。
2.2013.9.15.台風18号、2014.8.10。台風11号の大増水で表面の土砂が流された。
2011.9.23.
これは、3年前の金剛大橋から下流部(足跡化石のある方向)を写した写真です。手前は下天溝井堰ですので、そこから大きくS字に蛇行してますね。大阪層群は両岸に見えますが、下の2014.9.19.の写真のように、オ-1、オ-2遺跡は見えません。
2014.9.19.
この写真は現在のものです。井堰から直線的に人為的に流路が変更されていますね。これが、2年ほど前河床全面にブルドーザーが入り、大がかりに流路変更されたことによります。
そして、流路変更された周辺の一部が増水で、表面の土砂が流された跡がよく写っています。これがオ-1、オ-2ポイントになります。
つまり、今回の発見は人と自然の偶然で、隠れていたものが見えてきたということになりますね。とういうことは、見えてないものがまだたくさんあるということです。
写真全体に遺跡があると考えられられますので、今後の調査に期待したいと思います。
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2014.9月20日 ( HN:アブラコウモリH )
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