
東京タワーの中にある蝋人形館が明日を最後に閉鎖されるのだそうです。
東京の子どもたちにとってはトラウマのスポットとして知られていたという蝋人形館、中に最後の晩餐があったことを思いだし、閉館前にひと目見てきました。
子どもだけでなく、おとなでもちょっと引いてしまいそうな、薄暗がりの中にライトが当たって浮かび上がる人形たち。一緒に行った人は途中から「お化け屋敷みたい」と早足に行ってしまいました。

あるときから、この蝋人形館は往年のロックスターの人形で有名になったのだそうです。館内には、ビートルズを始め各時代の代表的ミュージシャンが。

面白いところではダヴィンチさんとモナリザおばさまも。

さて、等身大のイエスと12人の弟子たちは、そんな薄暗がりの中で静かに晩餐を開いていました。そして厳かなナレーションが響き渡り、まるで教会にいるみたいに、最後の晩餐の話とイエスの死と復活について、繰り返し解説がなされていました。
前のベンチに一人の女性と孫らしい女の子とがいて、前を通過するわたしたちとは別の世界にいるかのように、じっと座って解説に聴き入っていました。そして女の子は「イエスさんってスゴイんだね。えっ!? わたしたちの罪のために死んじゃったって? それに、復活までしちゃったって言ってるよ!」
女の子の素朴な驚きや疑問に、一つひとつ相づちを打ちながら聞いている“おばあちゃん”。しばらく傍らに立ったこちらの方も、心が温かくなりました。