「人間は、真実の辛さを和らげたくて、都合のいい嘘を信じる。
辛い真実を話すのは簡単なことではない。
結局は何を考えるかではない、どう行動するかだ。」
『
怪物はささやく』(2016年)という映画の最後に、
想像の中に現れる怪物が十代の少年にこう言います。
助かる見込みがない病床の母親の最期を待つ時間が辛すぎ、
その真実を受け入れることができなくて、
さまざまな虚構と夢の中で彷徨う少年の心。
大人になっても、何か厳しい事態に直面したら、
わたしたちも皆、大なり小なり陥りがちな心の内と
よく似ているようで。
怪物は言います。「癒やす必要があるのはお前だ。」
少年は、ある夜の夢の中で、大きな穴に落ちていく
お母さんの手をなんとかつかまえますが、
まだ頑張れると思ったのに、
もう終わらせたいという気持ちが生じて、
その手をわざと放した…それが悪夢になっていたのです。
自分の中にある真実をよく観ること…
日常的にやってしまいそうなこの種の祈り、
救われるべきなのは自分自身なのでしょう。
そんなことを考えながら…
数日前にテレビでも放映されていました。