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断捨離ということばが耳に入るようになって
もう数年経ちますが、
所有することに人生の意味を感じ、
お金を含めた「モノ」に安心感を見出すという、
とりわけ先進国に住むわたしたちが
感じやすい物質との関わり方に、
これが本当に充実した生き方かと
時々自問したいと思います。
人に注目されるほどリッチな有名人でなくても、
普段、ごく自然に、同じようなものを複数持っていたり、
特に必要ないものを引き出しなどに
しまい込んだまま所有していたり。
その反面、意識して見ようとしていない世界では、
食べる物も、医薬品も、飲み水さえも、
十分に行き渡らないままその日を
かろうじて生き延びている人が大勢います。
棺に入れて後の世に持って行けない
全てのものをどのように
取捨選択していけばよいのか、
便利すぎる時代を少なからず享受している一人として、
ふと我に返るような思いで
我が身を振り返りたくなることがあります。