ずっと頭から離れないです…93歳の老女が、「お墓へ避難します」という遺書を残して自殺した。これって、…「棄老」ですよ…ね。
「自殺だから、棄老とは違う」って?では、深沢七郎の「楢山節考」に酷似しているってのは如何?
自殺した老女は、若い頃「楢山節考」を読んでショックを受けていた。70歳になり、80歳になり、90歳になり…そして被災。楢山節考の主人公、「おりん」は、姥捨て山へ捨てられる日を自ら決めた。自殺した老女も、脳裏におりんが浮かび、自らお墓へ避難した。楢山節考は棄老がテーマです。
棄老については、「大和物語」「更級日記」「今昔物語集」「更科紀行(←私はこれを読んでいませんが、棄老に関する章があるのだそう)」「楢山節考」「遠野物語」…などに取り上げられています。読んだのは、もう40~50年前ですからどれがどうだったか…ただ、「大和物語」は印象深かったです。老婆を山に捨てた男が、美しい月を見て母親を棄てた後悔に耐えられず、翌日連れ帰りました。なんとかしてくれと願いながら夢中で読み進めて、「よかったぁ!」と思いました。(喜びの度合いは、パピヨンが島から脱出したときと同じくらい…大和物語を読んで、パピヨンを観た人はこの喜びを御理解いただけるかと)
大和物語では、一度捨てた老婆を連れて帰ったのですが、山に置き去りにされた人たちはそのあとどうしたか…子供ながらに、「捨てられた老人たちが、山で共同生活をして楽しく死を待つ」このような続編を書いたこともありました。「山に捨てられて、じっと死を待つ」のが辛すぎて、少しでもハッピーエンドへもっていきたかったもので…。
老女と、おりんが重なります…楢山節考の世界と、現代の日本…似てませんか?
楢山節考:「村の年寄りは七十になると捨てられた」
現 代:22歳の人が、70歳の時に受け取れる年金の額は、うまくいったとしても支払った額の40%程度にしかならないという試算がある。
楢山節考:「晩婚が推奨されていた」
現 代:推奨されてはいないが、晩婚。
楢山節考:年老いた父や母を口減らしのために山に捨てる。
現 代:年老いた父や母の介護が大変な負担となっている。
楢山節考:山へ捨てられることに抵抗した又ヤンは、息子に縄でぐるぐる巻きにされ、谷底に突き落とされてしまった。
現 代:老人が実子に虐待されるケースがある。
楢山節考のおりんは、家族の未来を見据えて自ら山へ捨てられる決断をした。現代の日本は、「社会保障と税の一体改革」…今の痛みを回避し続ける…子供や孫やひ孫までツケを回して…。楢山節考のおりんと現代日本の相違点ですね。
「世の中に貢献出来なくなった。自分で自分の体を意のままに動かすことが出来なくなった。明らかに惚けはじめたと自覚できる」こうなった人は、「棄老の風習があったら楽なのに」と、一度は考えると思います。なぜそんなことを言い切れるか?それは…私自身そう考えるから。
「自殺だから、棄老とは違う」って?では、深沢七郎の「楢山節考」に酷似しているってのは如何?
自殺した老女は、若い頃「楢山節考」を読んでショックを受けていた。70歳になり、80歳になり、90歳になり…そして被災。楢山節考の主人公、「おりん」は、姥捨て山へ捨てられる日を自ら決めた。自殺した老女も、脳裏におりんが浮かび、自らお墓へ避難した。楢山節考は棄老がテーマです。
棄老については、「大和物語」「更級日記」「今昔物語集」「更科紀行(←私はこれを読んでいませんが、棄老に関する章があるのだそう)」「楢山節考」「遠野物語」…などに取り上げられています。読んだのは、もう40~50年前ですからどれがどうだったか…ただ、「大和物語」は印象深かったです。老婆を山に捨てた男が、美しい月を見て母親を棄てた後悔に耐えられず、翌日連れ帰りました。なんとかしてくれと願いながら夢中で読み進めて、「よかったぁ!」と思いました。(喜びの度合いは、パピヨンが島から脱出したときと同じくらい…大和物語を読んで、パピヨンを観た人はこの喜びを御理解いただけるかと)
大和物語では、一度捨てた老婆を連れて帰ったのですが、山に置き去りにされた人たちはそのあとどうしたか…子供ながらに、「捨てられた老人たちが、山で共同生活をして楽しく死を待つ」このような続編を書いたこともありました。「山に捨てられて、じっと死を待つ」のが辛すぎて、少しでもハッピーエンドへもっていきたかったもので…。
老女と、おりんが重なります…楢山節考の世界と、現代の日本…似てませんか?
楢山節考:「村の年寄りは七十になると捨てられた」
現 代:22歳の人が、70歳の時に受け取れる年金の額は、うまくいったとしても支払った額の40%程度にしかならないという試算がある。
楢山節考:「晩婚が推奨されていた」
現 代:推奨されてはいないが、晩婚。
楢山節考:年老いた父や母を口減らしのために山に捨てる。
現 代:年老いた父や母の介護が大変な負担となっている。
楢山節考:山へ捨てられることに抵抗した又ヤンは、息子に縄でぐるぐる巻きにされ、谷底に突き落とされてしまった。
現 代:老人が実子に虐待されるケースがある。
楢山節考のおりんは、家族の未来を見据えて自ら山へ捨てられる決断をした。現代の日本は、「社会保障と税の一体改革」…今の痛みを回避し続ける…子供や孫やひ孫までツケを回して…。楢山節考のおりんと現代日本の相違点ですね。
「世の中に貢献出来なくなった。自分で自分の体を意のままに動かすことが出来なくなった。明らかに惚けはじめたと自覚できる」こうなった人は、「棄老の風習があったら楽なのに」と、一度は考えると思います。なぜそんなことを言い切れるか?それは…私自身そう考えるから。