国境を越える検疫不要… 海中飼育の牛は？

　「日本の魚を外国へ売る」…無謀な発想だと思いました。「シーフード」と聞いただけで、顔をしかめる外国人が少なくない。そんな外国に、「魚」を売る？

　北海道南部の日本海側にある、ひやま漁協は、「スケソウダラ」を、韓国に売っている。「ま、まさか！」と半信半疑でした。福岡まで、陸路運搬し、フェリーで釜山へ。釜山からは陸路ソウルへ。（途中、世界陸上をやっている大邱市も通ります）南大門市場でも東大門市場でも、日本の「○○漁協」と書かれた「魚箱」を目撃しました。

　スケソウダラは、韓国のお正月の食材として不可欠とのこと。特に、オスのスケソウダラに高値が付く。オスのスケソウダラは、せいぜいスリ身にするか、家畜のエサにするかしかなかった代物。それを、高級食材として売るあたり、すごい智慧だなと感心したものでした。

　韓国へは、北海道のスケソウダラに限らず、イセエビ、アワビ、ナマコなどが、「活魚」で輸出されています。日本の活魚は、韓国民に人気が高い。この活魚車ですが、韓国国内へ、「無登録、無税で乗り入れることができる」。日本の業者は、活魚を降ろしたあと、韓国の水産物を積んで帰ってくる。（一昔前は、韓国土産の代表であった「岩海苔」が、今はスーパーで安売りされていることが頷けます）
　と、いうことは、韓国の活魚車も、日本国内へ、無登録、無税で乗り入れることができるのか？

　それが…あの韓国が、よく黙っているなあと思うのですが、日本へはそう簡単には、入れない。
　１　日本車として登録し、重量税、自動車税などを払わねばならない。
　２　荷を降ろしてすぐに戻るにしても、車庫がなければならない（日本に車庫がない車は、入国させないってんだから…日本も、なかなかやるものです）。
　３　安全基準、排ガス規制を満たしていなければならない。
　この状況は、「韓国車は、一歩も日本へ入れないぞ！」ということです。安全基準ですが、韓国の車は、右側通行です。ヘッドライトは、右側通行用に作られています。安全基準に触れます。トラックの場合、巻き込み防止装置が必要ですが、韓国のトラックは、日本とは逆に付いている…。これじゃあ、日本上陸は無理。

　領土問題では、取り付く島がないほど強硬な韓国が、活魚車問題に関わっては、「不公平だ！なんとかしろ！」と、大騒ぎしてない（ように感じる）？なぜか？早い話が、活魚車問題は、一部漁師さんの問題であり、多くの韓国国民は、そのようなことになっているとは知らないからでしょう。知られると、かなり大変ですよ。なにしろ、焼き肉とキムチを食べていますから、ものすごいパワーです。

　おいおい、魚の検疫についてはふれないのかって？あ、あのね、海の魚は、検疫しません。海は世界中につながっています。ですから、海で獲れたものを検疫する必要がないのです。
　海中飼育した牛の場合も検疫なしかって？そ、それアイディアですね。四つ足の動物も、海中飼育なら、検疫不要かも…んなわけないでしょう！