アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

髪の毛が原料の醤油

2011年08月18日 | Weblog
 およそ50年前、高校の学校祭での生物部の出し物に、「髪の毛から醤油を作る」というものがありました。理屈は分かります。髪の毛はアミノ酸ですから醤油の原料と同じ。「爪から醤油をつくる」というものもありました。爪も、髪と同じでアミノ酸ですから醤油が出来るわけ。

 「自分の髪を切ってその場で醤油を作り、生寿司につけて食べる」というものではなく、(完成に24時間がかかるので)醤油の味見は、他人の髪の毛製。
 「誰がそんなモノ味見するか?!」と思ってみていたら、意外にも人気が。私もちょっと…焦げ臭い感じでしたが、確かに醤油でした。爪で作った醤油のほうが味はよかったかも。
 
 塩酸も使うし、苛性ソーダも使うので、今の学校祭では、「髪の醤油」も「爪の醤油」も作れません。50年前は、理科室の戸棚から、塩酸も、苛性ソーダも簡単に持ち出せました。

 30年前に、「ニューヘアー」という雑誌が、「髪の毛から醤油が作られた」という記事を載せたので、生物部関係者以外の日本中の人々も髪の毛醤油の存在を知ることに。
 現在、髪の毛醤油は日本では作られなくなりましたが、中国では依然作られているようです。なにしろ、原料である髪の毛を集める「毛塵屋(けじんや)」さんがおられる。

 薄毛となった私が言うのもなんですが…髪の毛はなんのためにあるか?頭を守るためです。仮に、刃物で頭を切ろうとしても、髪の毛で滑って頭にダメージを与えることは出来ません。だから、ハゲの皆さんは頭を守るために、「カツラ」をつけるのかって?そ、そ、それは…単なるイイフリコキだと思います。頭を守りたいなら、ヘルメットを装着すればいい話でですから。

 アカウミガメの産卵地として知られる愛知県の海岸(豊橋市の表浜海岸)に、33キログラムもの髪の毛を捨てた人が逮捕されました。美容室経営会社と、従業員。美容室から出た髪の毛を海岸に捨てた。ま、不法投棄ですね。
 美容院、理容院からの髪の毛は、専門の業者が適切に処理するのだそうで…。髪の毛を集める専門業者?ということは、現代日本にも毛塵屋がいるんだぁ!

 逮捕された人たちの間違いは、毛塵屋へ廃棄の依頼をしなかったということではなく、33キログラムもの髪の毛を醤油にせずに捨てたというところですね。リサイクルの時代だというのに。