アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「あきらめない」の典型!

2012年04月05日 | Weblog
 縁日で買ったミドリガメを洗面器で飼っていた方がおられる。買ったときは、4cmほど。それが、歳月を経てどんどん大きくなり、洗面器(直径35cm)からはみ出すようになった。このミドリガメ、水深がほとんどない洗面器での暮らし…。
 飼い主は、大きな水槽を持つホテルへ、このミドリガメを寄贈した。巨大ミドリガメは、お客さんの間で人気になる予定でしたが…。
 ブクブクと、もがきながらミドリガメは水槽の底に達した。「大きな水槽に入って、もがいて喜んでいる!」と、従業員は判断した。
 しかし、BUT!ミドリガメは二度と浮かび上がることはなかった。泳ごうにも体が重すぎて泳げなかったのです。

 「サメを絞め殺した漁師」のニュースで、このミドリガメ事件を思い出しました。
 3月23日に奄美大島沖で転覆したはえ縄漁船「春日丸」の乗組員は、真っ暗な海を発泡スチロールや漁具などにつかまりながら漂流していた。そのときサメに襲われた。そのサメを羽交い締めにして、サメを殺した!しかも2頭も!

 カツオ・マグロの類は、泳ぎ続けなければ死んでしまうという話は知られています。呼吸が出来なくなるからなのですが、呼吸は、口と鰓蓋を開いて、その圧力差によって鰓に水を通すことによって行っている。(ジェットエンジンの空気取り入れと同じ方法。早い話が、ラムジェット換水法)
 呼吸するため、つまり生きるために彼らは生涯を高速遊泳するわけです。泳がなければ死ぬ…。

 羽交い締めにされたサメの種類は、「イタチザメ」。弱そうで臭そうな名前ですが、非常にどう猛なサメ。このイタチザメ、カツオ・マグロなどと同様、泳がなければ酸素を取り込むことが出来ずに死んでしまう。

 海中へ放りだされた漁師さんに襲いかかったイタチザメでしたが、漁師さんに羽交い締めにされた。…つまり、「泳ぐことが出来なくなった」。そのため、死んだ。

 それにしても、凄い勇気です。海中でサメに襲われて、羽交い締めにして泳げなくしてやっつけた。立ち向かわずに逃げていたら、餌食になっていたでしょう…。「あきらめるな」という言葉がこれほど輝くケースも珍しい。

 イタチザメとミドリガメ、どういう関係があるんだって?…こ、呼吸が大切ということで…。