アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「ウソ」は悪い、しかし「ホラ」は良い…

2012年04月04日 | Weblog
 「エープリルフール」…赤ちゃん以外は誰でも知っている。エープリルフールの凄いところは、「世界的な風習」という点です。4月1日は、「ウソ」をついてもいい日。イスラム教徒は、ウソは禁止されているので、4月1日といえども、ダメですけどね。ともあれ、これほど世界中に普及している慣習も珍しい。

 なぜ世界に広まったか?その前に、発祥の地はどこなのか?よく言われているのが、フランスが発祥という説。
 1564年にシャルル9世(当時の国王)が、暦を太陽暦に変更した際、新年を1月1日から(それまでの新年は、3月25日~4月1日だった)にした。このことに反発した人たちが「ウソの新年」と騒いだ…。この説は…ありそうで、なさそうで…?おもしろ味はない。
 おもしろい説としては、インドで悟りの修行が行われるのは、「春分から3月末まで」。翌日には、すぐに迷いが生じることから、4月1日を「揶揄節」と呼んでからかった。こちらの方がおもしろいかも。
 日本語では、「万愚節」とか「愚人節」という漢語的表現があるので、日本発のエピソードがあるのかも知れません。

 エープリルフールの本家かもしれないフランスでは、「プワソン・ダヴリル(四月の魚)」と呼んでいます。なぜ、「ウソついてもOKの日が、四月の魚」なのか?四月の海や川には孵化したばかりの稚魚が多く、スレてないので簡単に釣れるから…かな?
ジェームス三木の「危険なパーティー」を読まれた方は、「魚の形をしたチョコレートを贈ると恋愛が成就するという嘘をついた…」この場面を思い起こされた方もおられるかと。なぜ、四月の魚なのかの正解は…謎ですね。

 閑話休題。なぜ世界に広まったか?ですが、「拘束から準合法的に解き放たれる快感を味わえるから」だと、思います。「ウソ」はよくないことぐらい、赤ちゃん以外は皆知っている。そのよくないことが許される日ですから、これは楽しい日です。

 ウソに定義もヘチマもないが、英語には、「ブラックライ(black lie)」と「ホワイトライ(white lie)」という表現がある。
 ブラックライは、故意に事実に反する事を言うもの。他者(もしくは自分)を欺くために用いられる。
 ホワイトライは、事実に反することが聞き手にあらかじめ了解されているもので、フィクションや冗談。「ホラ」は、ホワイトライの代表。他者を喜ばせるものですから。

 「お知らせ 本日、NHKと全ての民放が合併して国営放送になりました。今後は日本放送会社木履連盟(NHKPR)として、着物を着たアナウンサーが青い背景の前で、やや絶叫気味にニュースをお伝えする予定です。今後ともNHKPRの活動にご理解をよろしくお願いいたします。 エイプリルフール」

 このツイートは、「NHK広報局(NHKについてユルく案内)」に、4月1日午前0時0分51秒にアップされたもの。
 さてこれは、ブラックかホワイトか?「エイプリルフール」と、ことわりを入れているので問題ないと思うが。NHK広報局(NHKについてユルく案内)は、「エイプリルフールのジョークで、一部の方に非常に不快な思いをさせてしまいました。思慮不足でたいへん申しわけありませんでした。これ以上、不快な思いをされる方がいらっしゃらないよう、ツイートを削除いたしました。(ツイログには残しております)」と…。まあ、「不愉快だという人がいるから、一応謝罪しておくかな」、と、いったところか。

 長距離弾道ミサイルの発射実験を予告している国の放送を真似るという趣向…。ま、やはり不愉快だな。NHKを名乗ってツイートする内容ではない。いくら、エイプリルフールでも。