アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

雨の日でも、「本日は晴天なり」…

2012年04月20日 | Weblog
「テスッ、テスッ、ただいまマイクのテスト中」
 いつから、マイクテストが、「テス、テス…」になったのか?
 古式豊かな、「本日は晴天なり」を、捨ててはいけません。古き良きものを大切にするという意味もありますが、「本日は晴天なり」にいたった歴史的な経緯を尊重したいです。

 雨模様の運動会でも、朝のマイクテストは、「本日は晴天なり」でしょう。「本日は曇天なり」とか「…雨天なり」とは言いません。
 「事実と違うことを言ってもいいのか?それが公教育のあるべき姿なのか?」…こういうことを言う人はいないと思いますが、無線局運用規則第39条に、「本日は晴天なりと言え」って書いてあるからしょうがないのです。

 そもそもは、アメリカのマネでした。アメリカのマイクテストは、「It's fine today」です。
 日本の挨拶の場合…「おはようございます。今日はいいお天気ですねえ」…これは普通です。マイクテストが、「It's fine today」ということは、アメリカでも、天気を話題にするのか?そうゆうことではない。
 この、「It's fine today」には、「t's」「f」「d」の音が入っている。これらの音は、きちんと強めに発音しなければ、マイクが拾ってくれない。そのため、マイクテストで、それらの子音をきちんと拾ってくれているかどうかを診るために、「It's fine today」と、言うようにしたわけ。

 さて、大正末期の日本、マイクテストのセリフをどうするかという議論になった。
 「アメリカに倣って、『It's fine today.』としよう!」
 「イヤイヤそれじゃああんまりだぁ。『今日はいい天気』としよう」
 「そ、そ、それならサザエさんだべぇ。『本日は、よい天気です』がいいんじゃないか?」(注:そのころ、サザエさんは始まっていませんね)
 「おら、こっぱずかしくて、『本日はよい天気です』などと、言えんわぁ。『本日は晴天なり』でどうだべぇ」
 (一同)「それがいい、それがいい」

 こうして、「本日は晴天なり」が生まれたのです。断言していいのかって?間違いなし!アメリカのように、マイクテストではどんなセリフが最適かを考えて決めたわけではなかったのです。
 マイクをはじめその他の機器の調子、リズム、メロディー、ハーモニー、バランス…なーんも考えなかった。この無責任さが、大正の日本ということでいいですねえ。

 私なら…
 春のマイクテスト
 「春一番、貼った膏薬剥がしたら、肩張る、肘張る、外は春」
 夏のマイクテスト
 「この夏は、厚い雲に覆われ、暑い夏は望めせん。熱いお茶を飲みたい夏です」
 秋のマイクテスト
 「生麦生米生卵」
 冬の…えっ?いい加減にしろって?ふぁーい(だらしない返事)…。本日は晴天なので、雪割りしまーす(まだ雪が残っているので~す…)。