アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

やったやった!人助け!

2013年03月11日 | Weblog
 「ニッサンGT-R」という車があります。この車で、スポーツジムへ来る御婦人がおります。年齢は、65歳前後か?噂では病院長夫人らしいが…ニッサンGT-Rと65歳のオバサン…似合わないような気もしますが。まあ、それは感じ方の違いなので拘泥しませんがね。

 で、この御婦人、1日に2度、スポーツジムで汗を流される。そんなわけで、私がジムへ行く時間帯には決まって、ニッサンGT-Rが駐車場にある。

 さてさて、昨日の当地は猛吹雪。降雪も30cmあるのに、除雪が来ない。テレビでは、「車での外出は避けてください」と。先日の吹雪では、何人も亡くなっているので、報道の仕方を変えたのだという。

 「そんなの関係ねえ!吹雪が怖くて雪国に住めるか!」というわけで、10m先しか見えない猛吹雪の中を車でスポーツジムへ向かいました。もちろん、ノロノロ運転。前方に、車の集団を発見。
 雪山へ突っ込んで動けなくなった車が一台。なんと、ニッサンGT-Rのオバサンじゃなくて、御婦人でした。それを救助しようと、善意で停まっている車が4台。うち、1台はBMWで、御婦人の夫でした。御婦人が、電話で呼び出したらしい。少なくとも、ニッサンGT-RとBMWを所有している。さすが医者はお金持ち。

 私は、その窮状を横目に、とっととスポーツジムへ行きたかったのですが、豪雪と猛吹雪で、道幅が狭められており、横を通り抜けることができませんでした。つまり、私がジムへ行くには、GT-Rを救助しなければなりませんでした。本心かって?冗談ですよ。日本屈指の野次馬ですよ!雪山へ突っ込んだ車を救助したくてしょうがない。恰好の餌食…ではなく、チャンス!

 車を下り現場へ近づくと、まず、御婦人の夫が、「どーも、すいません」。謝られることは何もしていないのに。御婦人も、突っ込んでいる車から下りてきて、「スミマセーン」。
 状況は、四輪共に、ヘルパーを仕掛けてありました。バックギアで脱出しようとしているのですが、車輪から煙がでるほど空回り。これじゃあ、何年頑張っても脱出できない。

 で、ドライバーである御婦人に、アドヴァイスしました。
 すると、車はなんなく雪山から脱出できました。
 人々の、尊敬の眼差しに送られ、私は振り返ることなく自分の車へ向かったのでした。いやーっ!人助けは気持ちがいい。昨年は、行き倒れの老婆を、2人も救助しましたが、今年は初めて。

 で、どんなアドヴァイスをしたのかって…
 「ゆーっくり!ゆーっくりですよ!」ただこれだけ。
 アクセルを強く踏むから、雪上の車輪が空回りするのです。ゆっくり、つまり車輪の溝を雪面に噛ませると動くわけです。

 「尊敬の眼差しに送られ、私は振り返ることなく…」と書いてしまいましたが、実は、こっそりふり返り、尊敬の眼差しぶりをチェックしたのですが…誰一人私を見送っている人はおりませんでした。アハハ。皆さんそそくさと自分の車へ戻っていきました。
 ま、吹雪の中だからしょうがないか…。