右側奥の細い電柱から先が伊田山トンネル遺構になる
田川市役所下の松原橋から俯瞰(ふかん)した全景
JR日田彦山線の田川伊田~田川後藤寺間に開通当初、
伊田山トンネルと呼ばれるトンネルがあった。
もともと田川線の一部であったこの区間は豊州鉄道が建設したもので、
明治28年 ( 1895年 ) の行橋~伊田間の開通に続き、
明治29年 ( 1896年 ) 2月5日に開通した。
線路はすでに百十余年の歴史を持つが、
伊田山トンネルは開通後わずか10年足らずで姿を消してしまった。
このトンネルの存在は、当時の地形図や九州鉄道営業報告から明らかであるが、
あまりにも短命で、完成後の写真も発見されていないことから、
幻のトンネルと呼んでも差し支えないと思う。