アマゾンわんわん日記 2018

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現代版 魔女狩り

2014年05月06日 | ブラジル雑記
サンパウロ州海岸部の町のインターネット掲示板に書き込みがされました。

  この女が幼児誘拐犯です。
  幼児を誘拐して、黒魔術のいけにえに使っています。
  みんなでこの女を探し出しましょう。

これを見た人たちは、書き込みを信じて、その似顔絵に良く似た女性を襲いました。
大勢で女性を通りへと連れ出し、手足をとらえて担いで広場まで連れて行くと、みんなで殴る、蹴るなどの暴行を加え、女性を殺しました。

現場にかけつけた警察によって女性は救い出され、救急病院に搬送されましたが、二日後に死亡しました。

その後、このネット掲示板への書き込みはいたずらだったことがわかり、掲示板の管理者によって似顔絵は削除されました。
もちろん、殺された女性は誘拐とは無関係です。

女性を大勢で担ぎ出し、暴行を加える映像は、すべて動画で記録され、ニュースでも何度も流されました。
おそらく暴行の場面なども記録されていたのでしょうが、さすがにそこまではテレビでは流していませんでした。
見ているだけでも、気分が悪くなるような残酷な映像で、こういう場面を記録し、その映像を流す人がいるということも恐ろしいことだと思います。
もちろん、もっと恐ろしいのは、女性を襲った人たちで、中世の「魔女狩り」とはこういうものだったのだろうかと考えさせられました。
女性を襲った人たちは、本当に何十人という数の人で、その中には幼い子供も混じっていました。

ニュースの中で、心理学者は「人々には身の回りで起こっている事件に対して、すぐに裁判などの結果が出ないことに対する不満がある。自分たちで事件のけりをつけようと、一種のヒステリー状態を起こしたのではないか。」と分析していました。
ここ何ヶ月かの間に、強盗を全裸で電柱に縛り付けておいたという事件や、強盗を逆に殺したという事件も各地で頻繁に起こっています。
ただ、今回は、明らかに無実の女性が、似顔絵に似ているというだけの理由で連れて行かれ、ひどい暴行を受け死亡するということで、それまでの事件とは異なっています。

この町の警察によると、掲示板に掲載されたような誘拐事件は発生しておらず、この書き込み自体がまったくの根拠の無い、いたずらだとのこと。
女性の家族と友人の弁護士は、前述した映像記録をもとに、女性に暴行を加えた人々を訴えるとともに、ネット掲示板に対しても何らかの法的な処分を求めています。

女性は13歳と1歳になる娘さんを残していきました。
根拠の無い噂話による、集団リンチ事件。
どんなホラーよりも恐ろしい話だと思います。
コメント (4)
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