ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME8 2-III The Black Gate is Closed (番外編2)

2006-06-16 01:17:52 | Tolkien・HoME
The Letters of J.R.R. Tolkien,58番で南アフリカへ行ったクリストファー・トールキンが,いつ帰ってきたのかようやく見つけました。1945年5月29日に書かれた100番の手紙が帰国第1便になるそうです。それにしても,パイロット訓練と聞いた時から気にはなっていたのですが,彼はやっぱり当時,英空軍で働いていたのですね。。。時代が時代だしなあ。。。

FOTR CD: 2-6: Lothlorien (1)

2006-06-15 23:18:47 | Tolkien・LOTR
HoMEで何度か草稿を見ましたが,モリアを通る時は注意して下さいって言ったでしょう?と嘆くアラゴルンのセリフが冒頭にありますね。これを捻ったのかどうかは知りませんが,映画では何故か,サルマンがガンダルフを「心配」しておりましたね。

山の描写が写実的。使っている言葉もきれいです。トールキンさんて,何か自然に関係ある随筆を描いても,売れる作家になれたかもしれません。そういえば,トールキンさんはプロ並みに絵が上手ですよね。物を観察して表現する能力に長けているんですね。

鏡の湖の水は,「氷のように冷たいから」飲んではいけない? ほ~。ちょっと不思議な理由。でも,よく考えてみると,トールキンさんがこれを書いていた当時の冷蔵庫事情は‥‥。今のような電気冷蔵庫ではなくて,木の箱に氷をどん!と入れておくアレだったのかな? これでも,水を氷のように冷たく冷やす事はできなくはないですが‥,日本みたいに暑い国ではないし,紅茶の国ですから,わざわざ好んで冷たい水を作る必要もなかったのでしょうかね。冷たい水の刺激にも慣れてなくて,体を悪くすると信じられていたのかも‥‥と,1人で勝手に納得する私。(笑)

この辺りでようやく,フロドが怪我をしていたとアラゴルンが思い出し,ミスリルの威力に皆がびっくり。

ギムリがさりげなくフロドをエスコートして歩いているんですね。何か追ってくる足音が聞こえる,と,心配げなフロドに,わざわざ地面にかがんで確認して,そんな音聞こえないよ,さあ,行こう!と言う辺り,温かみがありますね。

ロスロリアンが近づき,ニムロデルについて語るレゴラスのセリフが流れるようで美しいです。

HoME8 2-III The Black Gate is Closed (2)

2006-06-15 23:06:02 | Tolkien・HoME
<本文>
「冗談言っちゃいけないよ。おりこうなホビットさんにならなきゃ。モルドールに入るのはおりこうじゃないよ。でもだんなさんが言うなら行くよ。でも怖い町に入っちゃだめだよ。スメアゴルは知っているよ。」
「何があるんだい?」
「山に入る階段と道だよ。それとトンネル。ずうっと昔にスメアゴルがモルドールから出た道だ。今もあるかな。。」
「見張りはいねえのか!?」サム,ゴラムの目に輝きを見たような気がします。
「いるかもしれないよ。でも試さなきゃ。他に道はないんだよ。」
彼はそれ以上は言いませんでした。彼はキリス・ウンゴルの名を口にできませんでした。ホビット達はその恐ろしい意味を知る由もありません。
</本文>

(ゴラム,私より英語うまいな。(笑))

クリストファーさんによると,この時も,まだお父さんはこれからどうするかはっきり決めていなかったようだとの事。ただ,考えられるのは,ミナス・モルグルで捕まるという話は一瞬却下されていたようですので,ミナス・モルグルをよけてキリス・ウンゴルを上がらせるという事にしようとしていたのかな,という事です。また,ゴラムがフロドをキリス・ウンゴルに誘おうと企む理由を,見張りより蜘蛛の方に狙いを定めていた,という形跡があるそうです。

<Outline>
フロドは決心する。彼らは南へ向う。ゴラムは,十字路まで20リーグ(※1)ほどだと言う。足元にはアンドゥイン。彼らは急いで歩き,3日後,十字路に到着。
月が照らすミナス・イシルを見る。
最初の階段は安全。しかしその後のトンネルは黒くて蜘蛛の巣だらけ。蜘蛛達が彼らを襲う。彼らは消耗しきる。
</Outline>

※1:1リーグ≒3マイル

「月が照らすミナス・イシル」は,正式版では,フロドはミナス・モルグルではなく,ヘンネス・アンヌーンで見る事になりますね。私はたまたま覚えていましたが「Ithil」という言葉がそのまま「月」を意味する言葉として使われておりました。

ところで,数日前,フロド達を南へ向かわせたのは,ボロミアがミナス・ティリスに戻れなくなった事が原因か?と思っていましたが,見事ハズレでしたね。(笑) トールキンさんは,まずは,ゴラムに裏切らせる事を楽しんで?いたのですね。しかも,次の章に出てくるというのに,イシリアンの野伏の,まだ影も形もございませんしねぇ。(笑)

さて,黒門の前でフロド達が隠れている頃,ガンダルフ達はどうしているという記述があるそうですが,これが,下書きの間にいろいろ変っているそうです。最初は,

<メモ>
(キリス・ウンゴルの事を)アラゴルンなら彼らに教えれたかもしれない,ガンダルフなら警告したかもしれない。しかし,その頃ガンダルフはミナス・ティリスのゲートをくぐっており,アラゴルンはたくさんの兵を連れて戦争に向かっていた。
</メモ>

だそうで(汗)

<メモ>
アラゴルンならその名前の恐ろしさを彼らに教えられたかもしれない,ガンダルフなら警告したかもしれない。しかし彼らは,孤独だった。アラゴルンは遠くで絶望的な戦いに臨んでいた。ガンダルフはミナス・ティリスの白い壁の上に立ち,彼らの事を考えていた。
</メモ>

さらに次の下書きでは,ガンダルフは彼らの事を考えていたのは一緒ですが,まだミナス・ティリスには到着していませんでした。

正式版では,ガンダルフはアイゼンガルドにいて,サルマンと話し合いをしていた頃,になっているようですね。

‥という事で,次はいよいよ,うさぎのシチューの章です。

So-netブログさん絶不調

2006-06-14 23:24:34 | 雑談
So-netブログさんに全くアクセスできない状態なので,こっちのブログに書いちゃいます。私のSo-netのブログの方をご覧になっていらっしゃる皆様,大変申し訳ないです。ここ数日,サーバーメンテナンス終り,これで快適にアクセスできるのかと思ったらトラブルの嵐。So-netさんテンパってますな。OCNさんもgooさんも歩んできた道だ。頑張って!



HoME8 2-III The Black Gate is Closed (番外編)

2006-06-14 23:15:56 | Tolkien・HoME
前にも書きましたが,トールキンさんがLOTRのTTT後半(原書4巻,翻訳版7巻)を書いていたのは,1944年です。この頃,HoMEの著者クリストファーさんは,パイロット訓練(?と書いてあった)の為,南アフリカに滞在していたそうです。トールキンさんは,遠くにいる息子に,オニのようにじゃんじゃん航空便を送りながら,TTTの進捗状況を報告しております。この辺りのいきさつは,HoME8巻だけでなく,The Letters of J.R.R. Tolkienの58番からずーっと続いております。いやもう,驚くほど頻繁に手紙出しておりますよ。まるでブログ。(笑)

ところで,この頃の世界情勢と言えば,第2次大戦,ですが,中でも,ちょうどトールキンさんがだいたいの下書きを書き上げた頃,6月6日は,何と歴史上の大事件,D-Day(ノルマンディ上陸)です。(実はギャムジー改名の危機の顛末は,この事件を挟んでおりましただ(笑))トールキンさんは手紙でこの事について触れていますが,相当どえらい事件だったようですね。う~ん,今で言うと一体何に相当するんだろう? フセイン大統領逮捕の日か?‥‥いやいやまだまだかな。,アフガニスタンをタリバンから開放した日? いや~,どうかな,当時のヨーロッパの人にとっては,きっともっともっと大きな事件だったんだろうなあ。

こんな歴史の大事件を背景に指輪物語が描かれていたという事ですから,何か影響がなかったとは言えないかもしれないですねー。

HoME8 2-III The Black Gate is Closed (1)

2006-06-14 22:25:49 | Tolkien・HoME
クリストファーさんによれば,お父さんの1944年4月23日の手紙では,フロド達はモルドールの門に到着したと書かれていたそうですが,4月26日の手紙では,(何と!)満月に近い日の月の出の時間?(how much later the moon gets up each night when nearing full)と,うさぎのシチューの作り方を知りたいとあるそうです。

‥という事で,この章はその間にあるものですが,お父さんはまだフロド,サムとゴラムにその先何が起きるか知らずに書き進めていたらしいですよ。(クリストファーさんは推測はしない,と書きましたが,ここは珍しく,推測ですね。)

この章は,最初からすらすら進んだようで,ほとんど正式版と変らないようです。しかし,初期のモルドールの入口は,こんなになっていました。

<メモ>
Morannonに至るまで,城壁も壁も石や鉄の柵もない。両側の岩には,オーク達が潜むトンネルや蛆虫の穴が開いていた。。。。
</メモ>

おえっ;

でもこれはすぐに,お馴染みの城壁に囲まれた門に変ったそうです。
‥と,ここで突然みょーな書き込みが。サムが「ギャムジー家のホビットには想像もできないことで。。」と言っている辺りに"Goodchild"と。実は1944年5月31日の手紙(72番)でお父さんはこんな事を言っているそうです。

「SamはSamuelの短縮形ではなくSamwise(古英語でまぬけ(half-wit)の意味(汗;))だ。親父の名前はHamwise(古英語でstay at home)。この階層のホビットはサクソン式の名前を持つ。どうもGamgeeという苗字は好かん。もしお好みならGoodchildに変えようと思うがね。」

(ひ,ひぇ~,Samwiseにはそんな意味があったんですかっ。)

でも,クリストファーさんは,ギャムジー姓は,小作農らしさを感じる名前でちょっとコミカルな感じも出ているので,是非残してくれ,と,嘆願。ほどなくお父さんは以下の返事をくれます。

「お前の言う事には一理あるね。お前の許可なしに名前を換えようなんて思わんよ。しかし,名前を換えるのは,コミカルさを引き出す為でもある。ホビットには皆シャイアに合う英語の名前をつけておけばよかった。ギャムジーは英語っぽくないな。」

ここでお父さんが言っている英語(English)とは,現代英語だけなのか,古英語も含むのか,あるいはイングランド限定なのか,ちょっと定かではありませんが,要は,英語で読んでいる読者に,ピンと来る名前を付けたいな,という事だと思います。翻訳の名人は,原書で使われる言語の上っ面だけに囚われず,自国の文化に合った言葉を探し当てますが,それって原書を書いている本人にとっても,もちろん同じって事ですね。

かくして,ギャムジーは残る事になりましたとさ。

では,下書きの方です。正式版と違いのある所はあまり多くないそうですが,例えば,何故サウロンがミナス・モルグルの方から敵が入ってくる事を恐れてないのかをゴラムが説明した後,彼が「ホビットさんは信じなくてはいけないよ~」と言った事に対してのサムの反応。

<本文>
そうかもしれないな,しかしそう言われてもお前の言う道は上がれねえだよ。そして,当然門前に行って,入ってもいいですかって尋ねるか。だったら,長い道のりを歩くより,ここでそれやった方がましだ。
</本文>

HoME8 2-II The Passage of the Marshes (3)

2006-06-13 20:33:28 | Tolkien・HoME
先日読んだ所で,『幽鬼だよ~,幽鬼だよ~』の後ろに[?under] the moonとついていたのを読み飛ばしました。([?under]はクリストファーさんの註)

<メモ>
‥フロドはゴラムの変貌に気付く。最初はなついていたのに,昔のような喋り方に変っている。月の出ている時は一緒に歩くのがとても難しい。
</メモ>

その後,ゴラムの変貌に気付いたのはサムと修正され,さらに続きます。

<メモ>
フロドは次第に指輪の重さを感じる。それはゴラムも同じ。ナズグルがアイゼンガルドに向かうのを見てからは,地を這い縮こまりながら進む。サムは水溜りの中に死人の顔を見つけて叫ぶ。ゴラムは笑う。死者の沼地,そうだよ,白い目(White eye→ゴラムは最初,White Face Yellow Faceを,White eye,Yellow eyeと呼んでいたそう。)が起きている時は見ちゃだめだよう。彼らは何?彼らは誰?と訊くサム。サムに言われてフロドも覗き込む。ある物は恐ろしく,ある物は美しい,でも皆腐っている。。。

エルフや人間やオークのようだ,そ~だよ,そ~だよ,みんなしんでくさっているよ,スメアゴルがわかくてしあわせだった時,いとしいしとが来るまえ,みんなたたかったんだ~。でも彼らがほんとうにそこにいるか,スメアゴルしらない。さわることはできないよ!

月は西に傾き,彼らは歩き続ける。やがて大きなプールに道をふさがれている場所に着く。彼らがそこを覗くと,過去の死んだ人の顔ではなく,彼ら自身の死んだ顔を見る。早く出よう!
</メモ>

これは書き直され,彼ら自身の顔が映る話はなくなったそうです。(ほっ)
またこの時,ナズグルはアイゼンガルドに向かっていたと記されている所は注目すべき,と,クリストファーさん。(サウロンの怒りのスピードで,と追加されているそうです。(笑))

ゴラムのうたの初期の版は,正式版と全然違うそうですよ。ちなみに内容は,前半は冷たい風の吹く土地についての描写,後半は,どっかにおさかないないかな,というもの。正式版では,バギンスとなぞなぞの事について触れているようですが,それはまだないようですね。

さて,ここからいよいよ,7巻で『予見された』話とは違う方向へ突入です。キリス・ウンゴルとミナス・モルグルの位置がついに変ってしまった,歴史的なメモです。

<メモ>
この有名なモルドールへの道は,2つの塔によって守られている。モルドールの歯と言う。ずっと昔にゴンドール人によって建設された物だ。彼らは敢えてそこを通らず,西,南へ向く。ゴラムは彼らに,キリス・ウンゴルとミナス・モルグルの道について話す。そこに蜘蛛がいるとは話さなかった。
</メモ>

これもまたある日突然?決まった事のようです。とりあえず最初はキリス・ウンゴルの塔の話はまだしばらく現れず,フロドとサムは,相変わらずミナス・モルグルの方に入るようですが。

このメモと同じページに,サムがゴラムの「1人議論」を目撃するシーンの下書きもあるそうです。ゴラムの目には青白い光と緑の光が交錯,また彼がビルボに指輪を盗まれたとブツブツ言っているシーンもあります。

The Farthest Shore 読書 (7)

2006-06-13 00:02:32 | ゲド戦記・Le Guin
Lorbanery (1)
緑の島に住む人達は絹織物を営んでいたが,蚕を食べる蝙蝠を殺したりしない。自分達は蚕で生活しているのだから,蝙蝠にも蚕を食べる権利があると言う。
For if human beings live off the worms, they say, surely small bats have the right to do so.
しかしこんな素敵なモットーを持っているにしては‥‥な,島の人達。

突然theeとかthyとか言い出す女性。日本語では汝とか訳されますが,確かに偉い人やもったいぶった人が,目下の人に使うのをよく目撃します。でも,LOTRの原書では,好きな人や近しい人に使うという使い方もありましたね。


ハウルの動く城,放映

2006-06-12 01:23:21 | 読書
スタジオジブリの公式HPに告知されておりました。ハウルの動く城が,7/21にテレビ放映されるそうです。実は原作を途中まで読んで放り出しているんですよね。最初に読み始めたのは,もういつの事だかも忘れてしまいました。(笑) おそらく,ポタ4巻と5巻の間頃(この2冊の間には長いブランクがあった)だったと思いますので,2002年~2004年の間でしょうか。
原作を途中で投げ出している以上,観ようかどうか,またお悩みモノですが。。(う~むまさか,ゲド戦記3巻を読んでその後に。。。ていうのはアリか?!)


Captain Alatriste

2006-06-11 16:13:14 | 映画
某所をウロついていたら,ヴィゴ・モーテンセンの最新映画「Alatriste」のトレーラーを見つけました。こちら。ヴィゴさん,オヤジ入っているけれど,年齢を重ねている事を逆手に取ったように,カッコいいし,どえらくセクシーでございます。剣がホントに似合います。(絶対,銃より剣だな(笑))

これはスペイン映画ですから,当然スペイン語です。マルチリンガルを活かして仕事してますね~! そのうちデンマーク映画にも出たりして。

これ,日本で公開,して欲しいですよね~。

Run!Run!Run!