デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



システィーナ通りからトリニタ・デイ・モンティ広場へ

バロック時代の芸術家を代表するジャン・ロレンツォ・ベルニーニも手がける可能性のあった、スペイン広場およびスペイン階段は18世紀前半にフランチェスコ・デ・サンクティスによって完成したわけだが、映画のおかげで今やここも立派な観光スポットである。
しかしここはガイドブックにもあるとおり、花売りやおもちゃ売りミサンガ売り、そしてローマ戦士のコスプレをして声をかけてきて「写真を撮るのを引き受ける」ことで法外な値段を取る吹っかけ屋が多い。もちろん中には交渉次第でまともな値段でいい思い出をつくってくれる人もいるのだろうが、私が遭遇したミサンガ売りはしつこかった。
私はスペイン階段の上にあるトリニタ・デイ・モンティ広場からスペイン階段へと降りようとしたのだが、その時、東洋系の青年がセリエAで活躍する日本人選手の名前を連呼し、後ろから近づいてきた。サッカー話題なので、調子に乗ってその青年とハイタッチすると、彼は「私は名古屋に留学していたことがある、トモダチ」と片言の日本語でしゃべってきた。私の緊張の糸がゆるんだ瞬間、間髪いれず彼は私の右手首にミサンガを巻きつけようとするではないか。「こりゃ、いかん!」と慌てて手を引っ込めて、「No Thankyou!」を連呼し早足で階段を下りて逃げた。


トリニタ・デイ・モンティ階段(スペイン階段)

彼はそれでも後ろから「マタナ!」と声をかけたが、画像にあるとおり、スペイン階段は滑りやすい石の階段であったので、私はもうちょっとで足を滑らせて転倒するところであった。もし雨だったり、水で階段を清掃したすぐ後だったならば、かなり危険であった。
このような「売りつけ行為」については、ネットやガイドブックの注意事項(旅のトラブル等)に載っているのでなんら珍しいものじゃない。でも、サッカー好きが「ナカタ」「ナカムラ」「ナナミ」「モリモト」「ナガトモ」ら日本の誇る選手達の名前を出されたりしたときの、心の緩み具合は「旅のトラブル」の注意にあるニュアンス以上に、現地で自分の純粋な意識に働きかけるものであった。イタリアでサッカーの話題を、それも日本のことが褒められている話題は、やはり嬉しいのである。スペイン階段では私はこのようなケースに遭遇したが、ホテルやカフェや美術館には、サッカー話好きな人間もいるわけで、その時には「スプレーンディド!(すばらしい)」「チェ・メラヴィッリア!(あぁ、すごかった)」など片言のイタリア語をやたら繰り返すのが(私の)常なのであった。


スペイン階段からトリニタ・デイ・モンティ教会を見上げる


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