ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

卒業制作展2018年2月

2018年02月11日 | 日記

2月11日(日)、卒業制作展の3日目です。午後に、受付係の担当で会場に行きました。今年のポスターや看板の題字は中野佑衣さんの作品です。

今年は、たいへんバラエティーに富んだ展覧会になっています。いくつか紹介します。山下さんの仮名作品。

米澤優香さんの作品。

喜屋武さんの作品。難しい形式ですが、上手に変化をつけています。

渡邊くんの篆刻と書画作品。呉昌碩の世界観に近づいています。

笠原さんの作品。ファッションに書を応用する研究をしました。藍染に書を白抜きした作品は高い評価をいただいています。

界さんの作品。右の作品はSDプリンターで、書を立体化してモビールにしたものです。現代の工学的技術も書道に取り込んでいます。

門田くんの作品。現代美術に寄せた哲学的な作品群です。真ん中の作品は、一弦琴の音をヘッドフォンで聴きながら見て頂くというものです。書と音とのコラボを狙った作品というのは初の試みだと思います。

書道の新たな展開を感じさせるものが多く、書道を知らない方でも楽しめる展覧会になっています。

明日12日(月祝)が最終日です。 10時~16時  徳島駅前の交流プラザ3Fでやっています。 ぜひお出かけ下さい。

 


徳島市Music Bar Ricky でのライブ

2018年02月11日 | 日記

2月10日(土)、夜に標記のライブを鑑賞に行きました。短大の音楽科の小田原令幸先生のバンドが出演されるというので、誘われて夫婦で行きました。会場は徳島市の籠屋町商店街の南側出入口の脇にあります。

小田原先生のバンド名は「鬼尻バンド」。徳島では有名なR&Bバンドです。小田原先生はベース奏者、奥様がドラム奏者。ボーカルとギターの担当の大西さんは盲目の天才ボーカリストです。サックス奏者の女性(糀寿麗さん)の後ろには男性キーボード奏者もいます。メンバー5名のバンドです。

4曲ほどの迫力ある演奏を楽しみました。アンコールの掛け声も掛かりました。この日はブルースが中心の企画で、この他にも3つのバンドが出て、それぞれの個性が表れていました。徳島のジャズのレベルはたいへん高いとお聞きしています。

最近は、音楽の中でも、音質…線質、とか「間合い」とか、表現方法に共通項が多いことを感じています。書道文化を学ぶ時に、音楽や美術の鑑賞も積極的に進めていくべきです。大学にはデザインコースも、音楽科もあるので、交流を進めていける立場にありますが、今までそれほどは進んでいませんので、勿体ないと思います。

先日、小田原先生と一緒に仕事をする機会があって親しくなったので、今後もたまには音楽鑑賞に来たいと思います。

 


高松市歴史資料館企画展 東渓と南蘋派

2018年02月11日 | 日記

2月10日(土)、午後に標記の会での講演会を聞きに行ってきました。図録の制作に参加して、画賛なども解読させていただいたのと、知り合いの先生の講演もあったからです。

講演が始まりました。これは毎月実施している公開講座「讃岐村塾」の一環での講演です。

講師は、関西大学文学部の教授で、江戸時代の大阪の絵画の専門家である中谷伸生先生です。演題は「忘れられた大坂の南蘋派」というものです。

 小倉東渓は、高松の商家の生まれで、長崎に遊学して来泊していた中国人画家から学んで高い表現技術を得て、後に江戸や大阪に行って活躍します。特に大坂の出版社が彼の画本をいくつか出版していて、大坂画壇に大きな影響を与えました。柴野栗山とも仲の良かった人物です。当時、長崎には沈南蘋(しんなんぴん)を中心に、中国風の絵画技術を日本人に指導する画家が何人かいて、日本の画家に大きな影響をあたえますが、沈南蘋の強い影響下にある画家たちを南蘋派と呼んでいます。小倉東渓もその一人です。作品はたいへん見事です。中国風の絵画技術をよく噛みくだいて日本風に変えているといえます。

「大坂」と書くときは江戸時代の大阪を指します。大坂の絵画は明治時代に、東京美術学校で教えていた岡倉天心の影響で評価を下げ、現在の日本ではあまり注目されていませんが、実は都会的ですばらしいもので、大英博物館では大坂絵画の収集を進めているという話をお聞きしました。大坂の画家の作品写真をたくさん見せて頂きましたが、確かに、日本で評価が低いのは不当だと思いました。今後は欧米の評価の影響を受けて評価は上がっていくだろうと、中谷先生は述べておられました。

書道に関しても、現在は江戸時代の作品は評価が低いのですが、時代の風潮の変化で評価は変わるので、やがて高い評価の時代が来ると考えています。このような文化に関しても、博物館が資料をしっかり収集して展覧していただくことが大切だと思います。

東洋画には絵に詩を添える「賛」が筆書きされていることがあって、これは立派な書道作品です。文人たちは、漢詩を作ったり、中国の漢詩を選んで、それを絵に合せて大きさや表現方法を変化させて書き入れて楽しんでいます。そのセンスはたいへん素晴らしいものですが、草書で書かれた漢詩文が多いので、意味を理解するには難しく、専門家がそれを解読して展示することが必要になってきます。そんな訳で私にもその仕事が回ってくるのですが、解読はかなり難儀し、想像力を働かせて何とか読んでいる状態です。100%正確ではないのですが、作者の言いたいことの9割以上は理解でき、それから作品全体を眺めてみると、より深い鑑賞ができます。

展覧は前期が2月18日(日)まで、後期は2月20日(火)~3月18日(日)まであります。ぜひお出かけ下さい。