年を取ると、いろいろなことが若いころのようにはできなくなってくる。
その一つが老眼による視力の低下だ。
このたび、放送大学の試験も終わったので、関係のない小説でも読もうかと思った。
それで、図書館に行ったんだけど、昔の小説を読もうとしたらもう単行本なんかないのである。
あるのは全集だ。
夏目漱石や志賀直哉など有名な小説家のものは全集になっている。
ところがこれが、文字がものすごく小さいのである。見えないことはないが、これでは目が疲れてしまって長続きしない。
老眼鏡をかけてもきついのである。
それで、大きな文字の本はないかな~と思って探していたら、巨大文字の本っていうのがあって、これは本当に目の悪い人が見るものなのだろうか?
フリガナもついているのだけど、普通の文字の10倍くらいの大きさで、これではいくら何でも大きすぎるのであった。
それで、結局昔の小説というのは、単行本ではなく、文庫本しか図書館の書架に置いてないのだが、文庫本の文字は絶対に小さくてダメだと思っていたものの、これが意外に小さくないことが判明した。
特に新潮文庫はけっこう読みやすいのが意外だった。
なぜならば、自宅にある昔読んだ文庫本は、文字がとても小さくて無理だと思っていたからだ。
ところが、時代が変わり、本の大きさはA6で変わらないものの、文字は大きくなっているのだった。
調べてみると、新潮文庫は
戦前 7.5P
戦後 8P
1982年 8.5P
1999年 9P
2002年 9・25P
と、どんどん文字が大きくなってきてたのである。
それで今は、9.5Pだそうだ。
リュウミンや集英明朝という字体を使っているのが多いとのこと。
一般の書籍だと文字の大きさは9~10Pが普通だそうだ。
私が普段仕事で校正をしている書類は、A4サイズで10.5Pである。
時々小さい文字のものがあるのだが、それはA3サイズに拡大してプリントアウトして使っている。
やはり自分としては10Pくらいが目の負担にならないと思う。
小学館のP+D BOOKSは文字が大きくて読みやすいが、いったい何ポイントなんだろうか?
現在の新潮文庫と比べてみると、文字の大きさは同じくらいだが、行間が広いのでより読みやすいと感じる。
今のところこれが一番自分の目に適しているけど、出版されている作品は限られているし、図書館にはないので買わなくてはならない。
最近は老人が多くなっているんだから、大きめの文字の本を作ってもらいたいものである。