錯覚

音楽を聴いていると、なぜか充実した気分になる。

脳の中が活性化されるような気がする。
確かに、脳の普段使わない部分が活性するのかもしれない。

それに、若い人の演奏を見たり聴いたりしていると、自分まで若返ったような気がしてくる。
人間は、かっこよくなくちゃいけないと思う。
自分まで、人に見られてもはずかしくないように、センスのある姿になりたいと思う。
どこか、人をはっとさせるような個性を持ちたいと思う。

作りだすこと、生み出すことは、大変な作業だ。
そうやってできたものを、視聴する。
自分では何もしていないのに、その大変な才能と作業と工夫と努力の結果を視聴しただけで、
自分までそんなことをしてきたような充実感を与えられる。

カタルシスというものだろうか。

しかし、実は、自分は何も変わっていないのだ。

ただただ、音楽を聴いているだけなのだ。

これは、実は、恍惚の人になっているだけである。

自分でもなんかしないといけないと思う。

実際、音楽を聴いていると、自分もしっかりと素敵に生きようと思う。

憧れと力を与えられる。

でも、どうしても、音楽ばかり聴いている。

こんなことでは、だめだ。