長らく読みかけになっていた伊藤整の小説「変容」を今夜やっと読み終えた。
これは、だいたい月に1度、帰省するときに電車の中で読んでいたので、もう何か月も経ってしまった。
今回は、帰省するときに本を持って行かなかった。
近々、広島方面に旅行に行こうと思って、「変容」ではなく、旅行のガイドブックを持って行ったからだ。
「変容」は結構分厚いので家に置いていった。
残りは、あとわずかだった。それを今夜家で読んだ。
前山咲子が亡くなったところまでは読んであった。
今日読んだところは、その葬式からである。
その後の展開には驚いた。歌子までが亡くなったからだ。
この小説、どのように終わるのだろうかと思っていたら、かなりの大きな動きであった。
そうして、歌子の娘を女中と一緒に引き取るという選択。
そして、最後の場面は、またこれまでに縁のあった女性のところに往訪。。。
男と女の性や情というものが、年月を経て描かれている。
それらの人々の人生や仕事なども当然のことながら付随している。自分の保身もある。
そんな人間の姿がよく描かれていると思う。
作者の「あとがき」によれば、この小説は連載だったので、人物も事件も即興的に作り出されて最初は苦労がなかったが、不安定なものがつきまとい、あとで何度も加筆訂正が必要だったそうだ。
行き当たりばったり的な部分もあったのかな?
しかし、明らかに後半の方が動きがあって面白いように感じる。
60歳近い年齢の男の画家が主人公であるが、私もアラカンのオバサンなので、この年齢の人生をはかり知ることのできる者であり、これは私が読むにはちょうど良い内容だったようだ。
ただ、ざっと読んだだけなので、もう一度じっくり読んでみても良いなと思っている。
何を書いているんだか、意味不明だと思いますが、あしからず。
機会があったら、内容について、詳しく書こうと思います。
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