山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。
と思っていたけど、もうそんな年齢じゃなくなってきた。

「東京の流儀」読中感

2024-10-16 21:16:54 | 読書

本を読み始めても、だいたい途中で投げ出してしまう私ですが「東京の流儀」はもう少しで読み終わります。先週は帰省の行き帰りに電車の中でも読みました。ざっと読み飛ばしていたので、途中で思ったことも書かずに進みました。

そこで、全体的に感じたことを書きたいと思います。最初に感じたように、この人は私とほぼ同じ年齢であり、しかもこの本は20年くらい前に書かれたものですから、40代の人間が書いたものなのに、妙に老成しているのです。

それゆえ、この人が保守派の論客と言われている理由がわかります。変化を好まない、昔ながらのものを愛する傾向なのでしょう。

その中で、新しい店が出来たら早速行ってみるとか、そういうことはしない方が良いというようなことが書いてありました。

人間も中年くらいになると、だいたいどの店が良い店なのか知っており、自分のお気に入りの行きつけの店というのがある。それはもう変化しない定着した安定した価値観の持てるお店なので、いまさら新しい未知の店ができたから行ってみようなんてのは、彼にとっては、ミーハーのやることなのでしょう。

それを考えると、私は今になって、色々な店に行ってみようと思うようになったばかりで、ずいぶんミーハーになったもんだと思います。むしろ子育てをしていたころは、そんなことをしていられないので、近くにあるファミレスみたいなお店にしか行かなかったのです。

自分で自由に動けるようになったのが、もう60代に近くなってからなんじゃないでしょうか。それでも、いまさら老舗みたいなところへは踏み込めないので、ちょっとしゃれたファミレス系カフェくらいしか行けません。寿司屋も洋食も和食も、すかいらーくグループばかりですね。あとはせいぜい星乃珈琲くらいです。

やっぱり、人間の程度が違うんでしょうね。食器も安物だし、伝統的に価値のあるものってのを、一生使わずに終わるのかな。

福田和也氏は、老舗の理容室で髪を切り、昭和天皇と同じメガネ屋でメガネを作り、そういうものにあこがれたのかな。それが保守派と言われる理由でしょう。
一方、多くの人は、古めかしい物よりも新しいものを求めるような気がします。

でも、確かに古くからずっと続いているものの良さっていうのは、否定できません。

私も還暦過ぎてから特に日本の伝統的な文化や歴史などが良い物だなあと思うようになりました。食べものも和食が良いし、昔の日本建築や庭なども素晴らしいと思います。

そうして、そういうものを安定して愛する人間には、それなりの人間の深みみたいなものがあるのですね。

ちょうど、先週の土曜日の朝、テレビを見ていたのですが、テレ朝で市川右團次さんが下田を歩いているのをやっていました。

この市川右團次さんって、私は名前も知らなかったのですが、すごい濃い立派な顔立ちで、それに日常的な立ち居振る舞いがサマになっていて、人とのやり取りや話し方もきちんとしているし、朗らかだし、板についているのです。一体この人はなんなんだろうと思ったら歌舞伎役者でした。

歌舞伎の人っていうのは、本当にそういうものなんですね。舞台ではあんなに大げさな演技をしているのに、テレビドラマに出ても自然な演技が普通にできるし、人との応対もいい感じなのです。

お寺の住職さんと話をしたり、神社や寺で神仏に手を合わせたりするのも、やはり格式がきちんとしとている。それから、中高の同級生が経営している海の見える素敵なホテルに寄ったのですが、そこでは元同級生と気楽に話して、あとビールのお店のマスターなどとも親しくやり取りをしている。誰に対してもきちんとした礼儀があり、それでも緊張はさせないで楽しくお話ができる。こういう人って、どこへ行っても気持ちよく、恥ずかしくない人ですね。

私なんか、無知で世間知らずでありながら、卑しい心を持っていて、あれが損しただのどうしただの、高すぎるだのなんだのと、どこへ行ってもそんなことを考えているし、神社でお参りをするにも、お辞儀ひとつまともにできません。本当に恥ずかしい人間です。

そうして、その番組の中で、昔からずっと続いていて変わらない昔建てられた建物や庭などは、やはり依然として素晴らしく揺るがない、と言うようなことを言っていました。それが文化であり伝統というものなのでしょう。

その思いは、まさしく福田和也氏が書いていることと一致していると感じました。
そうして、この市川右團次さんという人は、1963年生まれで、現在還暦なんですが、なんとこの人もまた慶應義塾大学の法学部政治学科を出ておられるとのこと。下田でホテルを経営している女性の友人の方も慶応の中高の同級生でした。

また、慶応繋がりか、福田和也氏と同じ大学だ、と驚いた次第です。

本を読んだ印象では、福田和也氏は、全体的に風流人っていうのか、まあテーマがテーマなだけに、東京に住む一流オジサンの随筆ってところかな。「男の隠れ家」「プレジデント」(歯医者さんでたまにちら読みしています)の世界かな~。


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