今年の春、浮間舟渡の駅のホームから、遠くに水色のアーチ橋が見えた。
あの橋のところまで行ってみたいと思っていた。(写真左)
そして、ついに実現した。浮間舟渡の駅から歩いて5分くらいだろうか。(写真右)
「新河岸川(しんがしがわ)」にかかっているその橋は“長後さくら橋”だった。
この川は、水害を防ぐためか、両岸が高い塀になっていて、川沿いの通路は低い場所にあるが、橋は塀の上にある。だから、橋を渡るときには、高いところまで上っていく。駅から見た左上の写真で、橋ではない手前の道路のようなところを歩いている人たちがいるが、いったいどういう位置関係なのかと不思議だった。つまり、あそこが橋に通じる道路なのだった。
まず、川沿いの低い道路に行ってから、橋に上ってみた。
長後さくら橋の南隣には“新河岸橋“”、北隣には“平成橋”があった。3つのアーチ橋が並んでいるのだ。“新河岸橋”は緑(左下写真)、“平成橋”は濃い青(右下)である。
“長後さくら橋”(左下) と“新河岸橋”(右下)が近かったので、この2つを渡って比べてみた。
“長後さくら橋”は、車道1車線と歩道のスペースがあるが、車止めがあって、車は橋には進めないようになっている。普段は自動車は走らず、歩行者用の橋のようである。
一方、“新河岸橋”のほうは、センターラインのある片側1車線ずつの車道と、その両側に歩行者用の歩道がある。新河岸橋のほうが幅員が倍くらいあり、一般の自動車通行道路である。交通量も断然多い。
両方ともアーチ橋だが、上梁のデザインが違う。“長後さくら橋”は平行に並んだ梁のほかに斜めに渡ってクロスしている細い梁がある。新河岸橋の梁は平行に並んでいるものだけである。
構造を見ると“長後さくら橋”は、桁が太くて長く、水平にまっすぐで、その上に小さなアーチが載っているような形である(左)。
通路は平らである。つまり、アーチ構造よりも、桁構造の要素が強いようだ。2005年7月11日に開通したそうだ。新しい感じがする。
一方、“新河岸橋”の構造は、桁の部分もアーチのように中央が盛り上がる形で湾曲していて、橋の端から端まで全体がアーチである(右)。だから、道路も岸に近い両側が低く、川の中央が盛り上がっている。
自動車が頻繁に走る道路だけあって、歩道橋っぽい長後さくら橋に比べると、重量に対する強度もありそうだ。
この橋は、ネット上でいろいろ調べてみたところ、以前の橋は、老朽化して10トン未満車しか走ることができず、2004年ころ架け直し工事が着工されたそうだが、なかなか完成せず、やっと2010年に完成したとのことだ。それで、車道・歩道ともに幅員も充分あり、きれいに整備されている。橋を渡ると確かに新しい感じがするが、全景を見るとできたてというほど新しそうではないのは、やはり完成するまでに年月がかかっているからかもしれない。
“新河岸橋”から見える“長後さくら橋”(左下)と、“長後さくら橋”から見える“新河岸橋”(右下)
どっちも、比較的新しい橋といえる。
もう一度、“新河岸橋”
花をあしらった橋名の石標は、橋に対する愛を感じる。「いい橋作ったでしょ」という感じで、ちょっと誇らしげだ。どっちの橋も、このへんの住民にとっては嬉しいものだろう。
今度は北側の“平成橋”のほうにも行ってみようと思う。