プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

板東里視

2017-04-28 23:54:57 | 日記
1969年

バッキーの加入、ルーキー岡田(松下電器)水谷(全鐘紡)らの参加で「70%戦力アップ」と、三原監督が語る近鉄投手陣、鈴木、バッキーとガッチリした二本柱がそろったが、問題は第三の投手だ。二本柱のあとを受けるのは板東、佐々木、川内、岡田と、先発完投能力を持つグループがひしめいている。しかし、その中でも、もっとも安定しているのは板東。その板東が、二十九日のオープン戦初先発した。三原監督は「板東は過去五試合救援ばかりに使ってきたので、一度先発させた」と話したが、首脳陣は中原コーチのことば通り、板東を機に応じて先発、救援と自在に使って行く方針を固めている。当の板東はこの日、立ち上がりタマがうわずって、一回、いきなり高木守に安打され、一枝にも右翼へ鋭いライナーを打たれた。二回にも伊藤竜に右翼線二塁打され、フラついていたが、要所をしめ、三回以後は完ペキのピッチングで、6イニング無難に投げた。「現在は、一度落とした調子が上向きになっているところです。はじめはちょっとタマがうわずったが、三回以後は自分でも納得のいくピッチングができました。感じのいいタマがピタリと決まりましたからね、ことに六回、千原を三振にとったシンカーは、自分でもタマをはなした瞬間やったと思いました」と、ピッチングを振り返る。板東の自慢するシンカーは、ことし覚えたもの。昨年は、タイミングをはずすために、スリークォーターからチェンジアップを投げていたが、このタマはすなおすぎてよく打たれた。だからことしは、もうひとつ腕を下げ、サイドハンドからタマに変化をつけたシンカーを開発、ようやく身につけたようである。先発から救援までの大活躍を予約されている今シーズンの板東だけに、Aクラスからいっきに優勝までねらうという近鉄にあって、その右腕は大きなポイントとなりそうだ。
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中山孝一

2017-04-28 22:04:58 | 日記
1970年

南海のルーキー中山が広島打線を七回まで2安打の散発に封じた。スローカーブでカウントをかせぐかと思えば、速球を打者の胸もとへピシリと投げ込む新人ばなれしたピッチングだった。広島の各打者はスピードにタイミングを狂わされて三塁もふめなかった。この中山「チーム一」(広瀬の話9という速球が身上だ。野村監督がホレ込んだのもその点。「なんとか一本立ちさせたい」と、阪神戦、巨人戦、この日と先発ばかり起用してきた。中山も投げるたびに力をつけ、着実なノビをみせている。広島打線をほんろうしたスローカーブもこの日はじめて投げたばかり。ナックルにも10球ばかりテストするなど、余裕たっぷりだ。制球力のないのが気がかりで、2-3まで持ち込まれたのが六度もあった。中山も、その点は十分心得たもので「テストした変化球はなんとかうまくいけそうだが、やっぱり制球が悪くて・・・。これから勉強します」野村監督は「いくら相手が不調の広島でも、これだけ投げられれば、自信をつけたやろう。これからもどんどん投げさせるが、なんとか公式戦で使えそうや」と成算ありげだった。が、中山はやはり新人。「これで、東京遠征(二十七日から)のメンバーにいれてくれるでしょうネ」と喜んでいた。
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