プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

栗本光明

2019-03-17 10:36:12 | 日記
1962年

この日紅軍の先発をつとめた栗本投手は5イニングスを投げて被安打1、ようやく本領をのぞかせた。栗本といえば倉レ岡山のエースとしてノンプロ界では名の通った投手。昨年後半にオリオンズ入りしたが公式戦はわずか三試合しただけ。「ことしで二年生になるわけですがプロ入りはじめてのキャンプ」と意欲を燃やしている。直球ばかりのピッチングだったがナチュラルなスライダー、シュート、沈む球は一見見れば打てそうでもいい当たりがでない。葛城、山内あたりもいたずらにフライを打ち上げるだけ。妻島と似たタイプだが、コンビネーションはさすがにノンプロでもまれただけに確かなものだ。「きょうはボールがよく走った。いま腰の入れ方というかピッチングを大きく見せるよう注意されています。カーブが投げられるようになれば・・・」と早くも次のプランをちらつかせる、小さいが鋭く曲がるカーブは定評があり、コントロールもいい。懸念されるのは気の弱さだ。「やはりすぐには無理ですが、徐々に精神的なガメツサを身につけていきたい」といっている。現在体重は60㌔、やせっぽっちという感じはまぬかれない。「あと10㌔はほしい」というのが栗本投手の悲願だ。そして「ことしは一軍にずっとついていき、一試合でも多く投げられるようになりたい」が目標だそうだ。
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西沢浩一

2019-03-17 10:27:45 | 日記
1986年

敷島球場は2年前の「あかぎ国体」のときに大改造され、スコアボードは地方球場には珍しい電光掲示式。選手もこのきれいな球場ならやりがいがあるだろう。グッドプレーが期待できるぞ!と思ったら、やっぱり西沢がやってくれた。被安打わずかに4。しかも無四球、残塁わずか1という堂々たる完封勝利。「自分ではそんなにいい出来だとは思わなかったのですが、終ってみれば完封でしょう。びっくりするやら、うれしいやらで・・・」信じられないという顔付きの西沢だったが、最後の打者・安部を三振に斬って取った1球が、その試合の西沢を象徴していた。内角高めの快速球。高さ、コース、スピード、非の打ちどころのない球、まず打者が何回振ろうが安打にするのは至難のワザ。この球が投げたいときに投げられるようになれば、一軍も近い。ましてヤクルト(ヤクルトファン、ごめんネ!)、チャンスはいっぱいある。「いま、少しフォームを変えています。右足を振り上げたときに、ワンクッションおき、止めるようにしているんです」と西沢。本誌の「熱球トーク」でおなじみの小林繁さんが、これが巧みだった。もちろん、完全に動きが止まったと審判が判断した場合は即ボーク。だからいつも危険と隣り合わせの投法なのだが、巧妙にやれば、打者のタイミングをはずせるし、なによりこの投げ方は、打者の動きを観察できるという利点がある。「ファームといえども、投手にとって勝ち星にまさるものはないよ。いくら好投しても敗戦投手じゃ仕方ないんだ」といい切るのは、ヤクルト・根来二軍バッテリーコーチ。西沢クン、この1勝を大事にしようぜ!ただこれからの課題は調子が悪いなら悪いなりに、投げ切れるようなピッチングができるかどうかだ。そこで提案だが、速球をより速く見せる球をマスターしてはどうか?そうすれば、その体を軸に、不調のときでもごまかしがきく。西沢は、カーブの他にフォークを投げるが、このフォークが「落ちる球というより半速球という感じ」(西沢)で、鋭さがないのが悩み。恐らく、うまくボールが指から抜けないのだろう。指が大きく開かないのだ。こういう人にはスプリット・フィンガー・ファストボールをおすすめする。フォークほど指を開かず、指先に引っ掛けない球で、腕の振りは速球と同じでいい。ボールはチェンジアップ気味に落ちる。落ち方はシンカーと似ている。左腕の西沢がこの球をマスターすれば、右打者は苦しむはず。阪急の星野が今年成功しているのは、この球をうまく使っているからだ(本人はハッキリいわないが・・・)ジグソーパズルが趣味という西沢。「先を読んでするのは野球と同じ。実益を兼ねてるんですよ、エヘヘ」そう、どんどん実益を引き出してください。
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