1980年
中学時代(大阪・矢田中)は投手だったが、天理に入ると同時に、打撃を買われて野手に転向した川本。再び投手に戻ったのは県大会前の六月から。投手としての経験が浅く、地区大会でも完投したのはわずか2試合。恐らく本人も本番で完投出来るとは思っていなかったろう。それが苦しみながらも157球の完投勝ち。「完投ペースなんてわかりません。ストレートが思い通りに決らず苦しかったが、勝てば百点満点です」と、背番号9のエースは振り返った。二年生の川本にとって、2時間5分のドラマは、ピッチャーとしての楽しさと苦しさをたっぷり味わった時間だった。