1964年
大洋・三原監督、別所ヘッド・コーチは三日午後一時から多摩川球場で、元オリオールズ、ディーン・ストーン投手のピッチングをみた。同投手はシート・バッティングに二イニングずつ二度投げたが、最初の登板では5長短打され2四球を出してさんざん。二度目は、一安打に押えた。しかし別所コーチは「まだからだができていない。スピードはありそうだが、シュートなどの変化球があのくらいではだめだ。スタミナの点でも問題がありそうだ」また三原監督は「きょうは、わざと小さな打者を立てて、ストライク・ゾーンをためしたんだが、やはりどうもね。もう少し時間をやって、じっくりみることにします」といい、一週間以内にもう一度同投手のピッチングをみることになった。
大洋・三原監督、別所ヘッド・コーチは六日午後多摩川球場で元オリオールズのディーン・ストーン投手の二度目のテストをした。同投手は浜中、麻生、松久保らを相手に四イニング投げて被安打四。カーブをうまく使い分けて得点させなかったが、大洋は契約金などとも見合わせ、さらに検討したうえで採否を決める。
大洋は十日大リーグ元オリオールズのディーン・ストーン投手(34)=左投左打=の入団をきめた。同日正午、東京・銀座西の同球団事務所で森代表と契約金その他の条件を話し合い、決定した。これまでに大洋は多摩川グラウンドで二度テストを行ったが三原監督、別所ヘッド・コーチともに三十四歳という年齢と変化球に威力がないので、採用に二の足をふんでいた。しかし、弱体の投手陣を心配する中部オーナーの強いすすめで、球団の出す条件をOKすればとることになっていた。
三原監督「ある程度の目安がたったのでとることに決めた。10勝ぐらいはなんとかできそうだし、また絶対にしてもらわなければ困る。まだからだが十分できていないというから、一週間ぐらいしたら登板のチャンスを与えてみようと思っている」
ストーン投手「まだサインはしていないが、話はまとまった。いまヒゲをそったばかりのようにすっきりした気分だ」