久しぶりに、川上弘美さんを見た。
見たといっても、テレビ画面上でのことだ。
今日の午前11時からBS2でやっていた、
「列島縦断俳句SP」という番組に、選者として出ていた。
むかしより、いくぶんふくよかに見えた。
素敵な表情で話をし、笑っていた。
彼女の選ぶ句は、あの頃と同じで面白い感じの句だった。
川上さんの小説は、雑誌に掲載されると必ず読んでいる。
あの小説世界、好きなんだな。
川上さんに初めて会ったのは、
ASAHIネット主催「パスカル短篇文学新人賞」の
会議室でのオフのときだった。
それは池袋で行われた。
待ち合わせの時間に、私は少し遅れてそこに着いた。
オフのときの待ち合わせ場所での雰囲気は、
いつでも独特のものがある。
ましてや初めてのオフだと、
なんともいいあらわせないものがある。
それまで会議室では、それなりに会話をかわしているのに、
みんな初対面なのだ。
(この人たちが、オフのメンバーか)
と私は思いながら、はじっこのほうにいた。
そのとき、私に話しかけてくれた女性がいた。
その人が、川上弘美さんだった。
何を話したかは忘れた。
オフの会場でも、何かを話した。
綺麗な女性だな、と思った。
川上弘美さんとは、
ASAHIネットの「第七句会」の仲間だった。
あるとき私が、自分の句への酷評で落ち込んでいたときに、
川上さんからメールをいただいた。
「私は、九想さんの句は好きですよ」
という内容だったと思う。
俳句なんてやめちゃおうか、と思っていたときだった。
救われました。
それで、今でもへたな俳句を続けています。
川上さんは、「パスカル短篇文学新人賞」を受賞した。
その後、芥川賞をとった。
遠い人になってしまいました。