夜の7時半から、
「特報首都圏 農業を目指すホームレスの人たち」(NHK)
というテレビ番組を観た。
愛知県の農機具会社の社長だった石川という人が、
息子に会社を譲り、
東京のホームレスの人に農業を教え、
農業で生きていけるようになってもらおう、
ということをはじめた。
研修は2年。住み込み食事付き、給料は出ない。
現在、研修所には、
7人の元ホームレスの人がいるという。
その中の1人、でんさんは、60歳。
去年まで出版関係で働いてた。
リストラで人がいなくなり、
仕事が増え、会社を辞めた。
3ヶ月ほどで貯金を食いつぶし、
それから公園での生活になった。
10年前、妻子と別れた。
捨ててある食べ物を拾って食べたとき、
「自分がこんなことをできるんだ」
と驚いたそうだ。
半年前、石川さんと出会い、
「(人間)らしく生きたい」と考え、
研修所で農業を勉強しているという。
かねちゃんは40歳。
16で義父と仲が悪くなり、家を出て上京。
建設関係の仕事をし、その日暮らしをしてきた。
最初はそれほど農業が好きではなかったが、
今は、好きになったという。
いい顔してました。
私なんかも、へたしたらホームレスになっているだろう。
いや、明日は分からない。
女房と息子たちがいるから、
なんとか踏ん張っているが、
正直、どうなってもいい、なんていう気持ちもある。
石川さんは、将来、研修所を出た人に、
過疎地で農業をやってもらいたい、
と思っているそうだ。
そこまでに元ホームレスの人がたどり着くか。
でも、いいことしているな、と思った。
行政もホームレスに、排除ばかりではなく、
生きて行くなにか対策を考えなければだめだ。
しかし、研修所から逃げていく人もいるという。
農業はたいへんだ。
百姓のせがれに生まれ、
子どもの頃いろいろ百姓を手伝ってきた私としては、
農業はやりたくない。
その前に、やっぱりホームレスにはなりたくない。